Microsoft、Webブラウザ「Edge」をChromiumベースに ブランドは保持
Microsoftがデスクトップ版Webブラウザ「Edge」をオープンソースのChromiumベースにシフトすると発表した。一般ユーザーが何かする必要はない。開発者向けプレビューを2019年初頭にリリースする計画だ。
米Microsoftは12月6日(現地時間)、「Windows 10」のデフォルトWebブラウザ「Microsoft Edge」をオープンソースのChromiumベースに切り替えると発表した。開発者向けのプレビュービルドが2019年初頭に登場する見込みだ。
Windows担当副社長のジョー・ベルフィオーレ氏は公式ブログで、この移行は「ユーザーにとってより良いWeb互換性を作り、すべてのWeb開発者にとってWebのフラグメンテーションを少なくする」ためであり、「新しいARMベースのWindows端末でのWebブラウジング」に向けてChromiumプロジェクトに貢献していくと語った。
「Microsoft Edge(および他のWebブラウザ)のユーザーは、すべてのWebサイトの互換性向上、バッテリー持続時間の改善、あらゆる種類のWindows端末でのハードウェア統合を体験し、Web開発者はWebサイトの互換性チェックの労力が減り、Internet Exploreにしか対応していないレガシーなWebアプリを使っている企業のIT管理者はレガシーなWebアプリでも互換性が向上する」(ベルフィオーレ氏)
Edgeのブランドはこのままであり、一般ユーザー側がこの変更に合わせて何か設定を変更するといったことは必要ない。
Edgeのデスクトップ版は現在はWindows 10でしか使えないが、Chromiumベースになることで、Windows 7、Windows 8、そしてmacOSでも使えるようになる見込みだ。なお、iOS版EdgeのエンジンはWebKitで、Android版EdgeはChromiumと同じBlinkを採用している。
開発者向け情報はGitHubにまとめられている。また、開発者のためのMicrosoft Edge Insiderサイトも開設された。
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