イオンモール熊本のドローン捜索、状況を現場キーマンに聞いた 撮影を阻んだのは……(1/2 ページ)

 7月28日に発生した「令和8年熊本地震」。29日には防衛省が被災したイオンモール熊本の内部映像を公開し、その惨状が明らかになった。原型をとどめないがれきの奥へ入っていったのは、人ではなくドローンだ。

 その1機を飛ばしたのは国産ドローン企業、Liberaware(千葉市)。29日から30日にかけて、4~5人の従業員が関東から現場に赴き、ドローン撮影を通して自衛隊や消防、警察、現地企業と協力して要救助者の捜索を支援したという。投入したのは、24日に発表したばかりの小型ドローン「IBIS2 Chainage」だ。

Liberawareによる活動の様子(ニュースリリースから引用)

 剥き出しの鉄筋、猛暑、そして時間の制限。さまざまな制約のある現場だが、ドローン撮影を統括した同社の向山卓弥さんは30日までの撮影について「過去の教訓が生かせた支援になった」「複雑な環境だったが、無事に撮り終えることができた」と振り返る。

「教訓が生かせた」“72時間”に間に合わなかった過去

──まず、今回の支援について率直な感想を聞かせてください

向山さん(以下敬称略):当社ではこれまで能登半島地震や、2025年1月の埼玉県八潮市の陥没事故を支援してきました。しかし能登のときは三が日であったことや、われわれの体制が整っていなかったこと、山間の道路の損傷もあって、現地に行くまでに5~6日かかっていました。

 同様に八潮の事故も、なかなか現地に行くことができず、人の生存確率が下がっていく72時間というボーダーラインに間に合わなかったという悔しい思いがあります。

 一方で今回はJUIDA(日本UAS産業振興協議会)と急ぎ連絡を取り、事態の発生から24時間以内に現地に向かうことができました。まずはこの点で過去の教訓が生かせたと思っています。

──ドローンを活用した撮影・捜索の全体像を教えてください。

向山:JUIDAが陸上自衛隊西部方面隊と協定を結んでおり、その取り決めに基づいて自衛隊から要請を受けています。

 対応したのは自社の従業員4~5人と、現地のパートナー企業のメンバー3~5人、合わせて10人弱で、機材を持ち運びながら要救助者がいそうな場所を巡りました。ドローンは予備機や2チームに分かれての行動を見込んで6機を用意しました。

同社が公開したドローン撮影映像

──今回運用したドローンの飛行距離を教えてください。

向山:だいたい200mですが、電波環境が良ければ500m先まで飛行が可能です。周辺に水があったりコンクリートに覆われていたりすると、電波が吸収され飛行距離に影響が出ます。逆に、倒壊家屋のような木造の家屋だと電波が干渉されにくく、より遠くまで飛べる場合もあります。

 ただし今回は基本的に、操縦者から70~80m先の距離を目視外飛行で捜索しています。要救助者がいるかもしれない場所が限定的で、かつ消防の人が入っていけない環境を捜索することが目的だったためです。

 例えば部屋が丸ごと潰れてしまっていて、崩落の危険性もあるので人が入れない。そこで小さい穴を見つけて、部屋の中に入っていくような形です。

──1度の充電でどの程度飛行可能なのでしょうか

向山:バッテリー1本で約12分飛行できます。ただ、今回運用したドローンは非常に小型で、バッテリーの交換もすぐにできます。そのため、12分以内に帰還させてバッテリーを取り換え、また飛ばすという手法を繰り返し、継続的に調査しました。

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