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» 2004年08月31日 14時00分 UPDATE

プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)の市場動向

フラット・パネルと超小型ディスプレイの普及に伴って、テレビ市場は劇的に変化している。CRTは世界のTV市場では依然として優勢だが、TVの買い換えを考える消費者の関心は、フラット・パネル型TVに移っている。

[豊崎禎久,アイサプライ・ジャパン]

 アイサプライ・ジャパンは8月31日、同社の最新レポート「Television System Market Tracker」より、PDP TV市場について発表した。

プラズマTV市場(PDP)の動向

 この四半期から、ピクセル・フォーマット分類が、PDP の出荷台数、収益、および平均単価(ASP)データに追加されている。分類は次のとおりである。

  • 480ppiでのVGA/WVGA(SDTVまたはEDTVともいう)
  • 720ppi以上でのXGA(HDTVともいう)

 プラズマTVの人気は四半期ごとに高まっている。この薄型TVは、魅力的な形状と、明度、コントラスト、全体的な画像品質といった優れた性能、挑戦的な低価格で消費者の関心を引いている。現在、42インチのVGAプラズマTVは2000米ドル以下、50インチのXGAは5500米ドル以下で入手できる。

 これらのTVはさまざまな家電販売店、高機能オーディオ/ビデオ販売店のほか、ディスカウント・ショップや大型小売店でも入手でき、そのことが幅広い購買層に対して人気を高めている。店舗の目に付きやすい陳列棚や表示スペースに設置され、印刷物や映像による広告でも消費者の目に触れている。しかし、挑戦的な低価格や入手のし易さにもかかわらず、プラズマTV(特に50インチ以上のもの)はマイクロディスプレイをベースとしたリアプロジェクションTVとの熾烈な競争に直面している。

図1 図1:2003年世界プラズマTVシェア(出典:アイサプライ社8月)

 2004年の第1四半期には、世界で356,310台のプラズマTVが販売されたが、これは2003年第4 四半期をわずかに下回っている。とはいえ、下降傾向にあるというわけではない。需要はコンスタントに増加し、需要拡大によってパネルの製造企業は力を付け、勢いも増している。TVの出荷による2004年第1 四半期の収益は13億ドルに達している。ASPは2002年と2003年を通して継続的に低下しており、この傾向は2004年第1四半期も続くものと見られる(図2参照)。

図2 図2:世界のプラズマTVの出荷台数、収益、およびASPの関係(2003年Q1〜2005年Q4)

 PDPのテクノロジーと製造プロセスの向上により、生産力が増大し、価格の低下により市場への進出も拡大する。しかし、この部門はLCD型TVの製造企業からの大きな脅威を受けている。LCD型TV企業は生産拡大が著しく、画面サイズ45インチ以上のTV生産に力を入れている。しかし、ビジネス、経済だけでなく、政治的な問題までもが、新しいTV市場へのPDP進出に影響を及ぼすことになると考えられる。ここで明らかなのは、技術競争と適度な価格設定は不可欠だが、それ以外の要因も絡んでくるということである。

 プラズマTVの世界での販売台数は、2002年に314,398台、2003年に884,991台であった。2004年には販売台数は飛躍的に伸び、174万台に近づくと見られる。予測期間においてPDP型TVの市場(出荷台数)はCAGR59%という驚くべき成長が予想され、2004年に174万台、2008年には1100万台に達すると見られる。これだけの販売台数が見込まれるのは、急激な価格の低下のためである。プラズマTVの市場価格は、2004年の59億米ドルから2008年の136億米ドルへの増加が見込まれ、CAGRでは23%の伸びとなる。

 2004年第1四半期に出荷された356,310台のうち、北米の出荷が41%、ヨーロッパが30%を占めてプラズマTVの最大消費地域となっており、次いで日本と中国がそれぞれ15%、11%を占めている。収益の点では、総収益14億米ドルのうち、北米が48%、ヨーロッパが28%、日本が11%、中国が10%を占めている。日本の収益はヨーロッパと北米より低くなっているが、それは日本のASPが低く、大型画面の需要が少ないためである。この大部分は日本で生産され、ASPはその市場においては低くなっている。北米の収益はヨーロッパより高くなっているが、それは大きな画面サイズが好まれるようになり、それに伴ってASPも高くなっているためである。

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