署名「画像生成AIからクリエイターを守ろう」が賛同1万件間近に 「AI生成物のみ非親告罪に」などを主張
オンライン署名サイト「Change.org」で、「『AI法』を作り画像AI生成からクリエーターを守りましょう!!」とする意見への賛同数が間もなく1万件に達する。署名の開始日は2023年6月8日で、4月8日午後8時10分時点では賛同が9761件。4月8日当日だけで1277人が賛同の意見を出したと書かれている。
発起人は「生成AIからクリエーターを守る 有志」で、意見は文化庁とデジタル庁、岸田文雄首相に届けるとしている。団体には「個人絵師やイラストレーターや写真家や芸術家など日本のクリエーター、そして趣味で絵などの創作をする者たち」が所属しているという。
署名ページでは、ネットに上げた創作物の権利がAIによって脅かされていると主張。AI学習のために無断で創作物が利用され、それを拒否しても話を聞いてもらえず、それどころか罵倒されることもあるという。また、一部の生成AI利用者による嫌がらせ行為なども横行しており、これらの現状を知ってもらうため、署名活動を始めたとしている。
これらの現状を変えるため、同団体は「法改正をするべき」と説明。人の作品を勝手にまねた作品や、実在人物を模した創作物「ディープフェイク」などを防ぐために、「AI学習を拒否する権利を守る法律」や「学習元のクリエイターに使用許可を取る事を義務化し、学習元クリエーターの収入になるような法律」が必要と訴えている。
具体的には、下記のような内容を列挙している。
- AI学習を拒否している著作者の権利がきちんと守られ、無断使用する違反者は罰せられる法律
- AI学習の許可を取ることが必須となり無許可でのAI学習は罰せられる法律
- 無許可のAI学習の生成物に関しては有料で販売・転売などしてはいけない法律
- 無許可のAI学習の生成物に関してはAI画像作成ソフトのメーカー各社、またはAI生成者にAI生成物と分かるように明示、クレジット挿入を義務付けする法律
- AI生成物に関してのみ、親告罪ではなく非親告罪とする法律
- AI学習の学習元のデータセットの開示の義務化
- 生成物とユーザーをひも付ける仕組みをAI画像作成ソフトのメーカー各社義務付け
- 著作権者人格権、同一性保持権例外その3、"プログラムの著作物"の部分の変更(LoRA/i2iなどの無断学習禁止のため)
“非親告罪化”にさまざまな意見
この署名ページを巡っては、漫画家の森川ジョージさん(@WANPOWANWAN)が同署名に賛同してほしいと自身のXアカウントに投稿。「漫画やイラスト作画の近い将来のツールとして使用できるものを大変な労力で作っている技術者もいます。その人達のためにも必要なことだと思います」と説明していた。
一方で森川さんは、具体案として記載のある「AI生成物に関してのみ、親告罪ではなく非親告罪とする法律」に関しては「非親告罪はどうかと思う」と異を唱えている。親告罪とは、告訴がなければ起訴されない罪を指す。例えば、著作権侵害罪は現状一部を除き親告罪となっているが、もし全て非親告罪となれば、著作権者ではない人たちも違反者を訴えることが可能になる。
X上でもこの部分について、さまざまな意見が上がっている「非親告罪化したら、二次創作はもちろんネットの拾い画像も全部しょっ引けて焼け野原になる」「誰が『AI生成物である』って判断するのか」「疑心暗鬼と魔女狩りの地獄と化す」「産業と文化を1つずつ消し去るポテンシャルがある」などの声を確認できる。
また、森川さんの投稿に引用する形で、署名ページを編集したと名乗るアカウントも登場。「あの案は誰か1人の意見とではなく、当時の規制派それぞれの意見を吸い上げてそれをほぼそのまま書いており、取りあえずの案として記載している。当時とは状況も変わり議論も深まっており、現在もう一度編集するとしたら違ったものになる。今後の署名ページの編集に反映したい」という旨を述べている。
森川さんはこれに対して「全て承知しています。仕方のないことなのでしょうけど署名内容も界隈の方も感情的すぎて長い時間静観せざるを得ませんでした。機運が高まりつつあるので拡散させていただきました。個人的には主旨は賛同ですが内容の見直し等を冷静に判断してほしいと思っています」(原文ママ)と返事している。
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