「この絵、生成AI使ってますよね?」──“生成AIキャンセルカルチャー”は現代の魔女狩りなのか 企業が採るべき対策を考える(1/4 ページ)
3月、人気アニメシリーズ「プリキュア」を巡り、ネット上で騒動が起きた。プリキュア公式のXアカウントが、シリーズ第2作「ふたりはプリキュア Max Heart」関連の新商品に関する告知を行ったところ、その商品に使われたイラストを見た一部のXユーザーから「生成AIを使って作成したのではないか」との声が上がったのだ。
この「非難」の声は次第に大きくなったが、実はAIが生成したというのは全くの誤解。新商品発表から8日後、プリキュア公式Xアカウントが改めて「(問題を指摘された画像は)描き起こしたものであり、画像生成AIを使用したイラストではございません」と発表した。この発表に対して「公式にわざわざこの声明出させる時点で、臆測でのAI生成扱いは迷惑行為だと気付こうよ」などの意見や「現代の魔女狩り」と、やゆする声も見られた。
(関連記事:プリキュアの商品イラストに生成AI? Xで指摘相次ぐ→公式が否定する事態に 「現代の魔女狩り」との声も)
筆者が「非難」と括弧を付けて表現したのは、仮に今回のイラストがAIによって生成されたものだったとしても、それが直ちに問題のある行為だとはいえないためだ。
「生成AIキャンセルカルチャー」を考える
もちろん生成AIによる各種のコンテンツ生成を巡っては、さまざまな懸念の声が上がっている。
AIモデルの学習データに、不適切な形で収集された、第三者の著作物が含まれているのではないか。そうして開発されたモデルを使い、意図的に実在する人間のクリエイターの作風に似せた作品をそのクリエイターの合意を得ずに生成しているのではないか。それにより、本来ならば発生していたはずの報酬を、そのクリエイターが手にできない結果になるのではないか――といった具合だ。
しかしこれらは、生成AIの開発・利用方法次第で回避できるものであり「生成AIを使って作成したイラストが公開された」こと自体が、直接に問題につながるわけではない。
今回のイラストを非難したXユーザーの中には、これらの問題が生じているのではないかという疑いから声を上げた人もいるだろう。その一方で「企業が生成AIを使って何らかのコンテンツを生み出すこと」自体に対し、嫌悪感を抱いている人も少なくないように見える。
この記事では、前者のような、生成AI利用を巡る具体的な問題点・問題意識をいったん脇において、生成AI利用自体に向けられる激しい嫌悪感、いうなれば「生成AIを巡るキャンセルカルチャー」について考えてみたい。
ベストセラーの装丁を巡って起きた炎上事件
実は海外でも、似たような事件がいくつか発生している。その一つは、ある出版社が生成AIによって生成した画像を書籍の装丁に使い、ネット上で非難の声が上がったというものだ。
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