「ジェットコースターで近大行ってみた」――公式の“AI動画”が話題、担当者に裏側を聞いた(1/2 ページ)
ジェットコースターで大阪市内の名所を巡りながら近畿大学に向かう――同大学が公開したこのようなAI動画が話題だ。同大学の担当者に話を聞いた。
ジェットコースターで大阪市内の名所を巡りながら近畿大学に向かう――同大学が公開したこのようなAI動画が話題だ。動画では、大阪城や道頓堀などの観光地を巡る架空のジェットコースターに乗る様子を、一人称視点で体験できる。レールは同大学の東大阪キャンパスまでつながっており、構内のさまざまな建物を通過して記念会館に到着する。
この動画は、近畿大学が4月4日に開催した入学式のオープニングとして流したもの。同日から公式SNSなどで公開していたが、14日に同動画を紹介したあるXユーザーの投稿をきっかけに「わくわくする」「子どもの頃こういう妄想してた」などの反響が広がっている。
どのようにこの動画を作成したのか。また、実際の新入生の反応はどうだったのか。近畿大学の担当者に聞いた。
制作では海外クリエイターと協力
担当者によると、この動画の制作を手掛けたのは、Instagramなどで活動する海外クリエイターのSsestar氏(ssestar_art)。同氏は、韓国や台湾の観光地をジェットコースターに乗りながら紹介するAI動画を作成している。同氏の動画をInstagramで見かけ、「面白い」と動画制作を依頼した。
動画の制作に必要な写真や動画素材は、近畿大学側で用意した。大阪市の観光地や近畿大学の周辺を撮影したもので、中にはドローンを利用しているものもあるという。これらの素材をもとに、Ssestar氏がAIを活用して動画を制作した。
なお、動画中には実在する建物や看板に類似するものも登場するが「関係部署と連携し、権利を侵害しないようにした」(担当者)としている。
入学式の会場では「振り向く学生」も
ジェットコースターが大阪市を巡り、近畿大学に向かう構成にしたのは、入学式にさまざまな地域から学生が集うため。学生に同大学の立地を知ってもらう狙いがあった。
加えて重視したのが「没入感」だ。動画の最後にジェットコースターがたどり着く近畿大学記念会館は、実は動画の公開当日(4日)に入学式を開催していた建物。「今の若い世代はAI画像や動画にも慣れ親しんでいる」として、新入生にマッチするエンターテインメントを目指した。担当者は、入学式当日の雰囲気についてこのように振り返る。
「ジェットコースターが自分たちの会場に入ってくる映像が流れた際は、非常に大きな声が上がり、学生たちは(映像内でジェットコースターがやってきた側を)振り向いていた。フィクションではあるが、没入感があったのではないか」(担当者)
SNS上での反響についても「キャンパスにまた行きたくなった」といった卒業生の声も見られるなど、ポジティブな反応が多かったという。
X上の一部では、実際の位置関係と異なるとする投稿や、動画生成AI特有の文字の乱れを指摘する声も出ているが、「見ていただければ、フィクションと分かるようにした。AI生成であることも明記している」と担当者。あくまで創作として楽しんでほしいとした。
近畿大学の2026年度の入学式は、同大学OBのつんく♂氏が総合プロデュースを担当した。お笑い芸人のコロコロチキチキペッパーズのナダル氏や、霜降り明星のせいや氏などもゲストとして登壇した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
