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コラム
» 2004年11月15日 12時17分 公開

被災者を支える、地元ケーブルテレビの死闘 (後編)(2/4 ページ)

[小寺信良,ITmedia]

 局に戻ったあと、また続きを編集する。10時半ごろまでかかって残っていた作業を片づけ、今日のところは終了。制作部では、午前0時前まで放送制作部の和田次長が一人残って、今日の再放送を手動で送出し続けた。あとはお天気カメラに切り替えて、テロップの自動送出で引き続き情報を流し続ける。

 ほかのボランティアでホテルはいっぱいなので、筆者ら応援のスタッフは、NCTの局舎内に泊まらせてもらうことになっている。応接室にはこれもスタッフの心遣いで畳が敷いてあり、持参した寝袋でも寒くはない。

 自動送出に切り替えた深夜0時を過ぎても、市の対策本部からは、明日以降の作業など決定事項が次々とFAXで送られてくる。つまり本部は、まだ動いているということだ。

悪いヤツはどこにでもいる

 どんなところにも、火事場泥棒みたいなヤツは現われる。日本道路公団では、震災直後に災害救助や支援物資運搬車両からは高速料金を徴収しないという、寛大な措置を執った。ところがそれを知って、関係ないのに高速道路をただ乗りして遊ぶ輩が続出したため、自治体が発行する災害救助従事車両証明書がなければ、通行料金が免除されなくなってしまった。

 筆者も応援に行く前日、災害救助従事車両証明書が取れないかと市役所に電話したのだが、しばらく調べたあと、今までうちではそんな例がないのでわからない、とりあえず警察で聴いてみてはどうか、ということであった。なんとも頼りないことである。

 近くの交番に出かけていって事情を説明したところ、奥に座っていた管理職と思われる年配の警察官が、「なんだいそりゃ自治体の仕事だろう。オレが聞いてやるから」と県警に電話して確認してくれた。それによると、そういった証明書は、新潟県の災害対策本部から要請があって初めて自治体が発行できるもので、こっちから勝手に発行するわけにはいかないそうである。

 つまり向こうからアクションを起こしてくれないとどうしようもないのだが、そのアクションを起こさせるアクションはこちらから行なわなければならないわけで、そんな手続きに慣れていない個人では、もはや手の打ちようもない。もう明日出発のことであるから、残念だがあきらめることにした。

 現地に着いてNCTのニュースで知ったことだが、現地では避難している家屋への空き巣が頻発している。一時帰宅してみて初めてわかるという状況でもあり、警察も警察で仕事を山ほど抱えていることもあって(言うまでもないが、警察官だって被災者だ)、なかなか捜査ははかどらない。

深夜はテロップの自動送出で情報を流し続ける

 またボランティアと称して家屋を修理したあと、法外な金額を請求するもの、町内会の役員と名乗ってニセの義援募金を行なうものなど、人の不幸につけ込んだ悪質な事件も起きている。そもそも悪い人間なのか、それとも震災で悪い人間になるのか。後者だったら、やりきれない。

なぜマスコミが地元住民と問題を起こすのか

 既にblogなどで広まっているように、現地でのマスコミの取材のあり方が問題になっている。同じマスコミの人間として、筆者も人のことをとやかく言えた義理ではないのだが、なぜそうなるのかの意識というのは、分析できる、と思う。

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