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Appleの謎の新製品は何か?

» 2008年07月22日 17時37分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 わたしは知りたいし、皆さんもきっと知りたいはずだ。だが、Appleはそれを教えたくない。

 Appleの新製品について、何らかの情報、あるいはばかげた憶測でもいいからないかと何人かのアナリストに連絡を取ってみた。誰もがAppleのことで間違った予測はしたくないと言い、わたしが得られたのは遠慮がちな憶測だけだった。

 状況を簡単にまとめよう。7月21日午後に行われたAppleの2008年度第3四半期(4〜6月)決算発表会で、ピーター・オッペンハイマーCFO(最高財務責任者)は、第4四半期および2009会計年度に利益率が低下すると予告した。同氏は3つの理由を挙げたが、そのうち1つが際立っていた――「今日は言えない」将来の製品の移行だ。

 Appleの利益率は第3四半期の34.8%から31.5%へ、2009年度には30%へと低下する見通しだ。残る2つの理由――1つは短期的な販売プロモーション――は2009年度への影響を説明するには不十分だ。このため、新製品の移行が一番もっともらしい説明に思える。

 そこで問題は、この謎の製品が一体何なのかだ。

 「Appleがある日するかもしれないこと、しないかもしれないことを予想するには、わたしは年を取り過ぎた――ノートPCの新プロセッサへの移行かもしれないし、製品ラインの刷新かもしれないし、まったく新しいものかもしれない」とJupiterResearchの調査ディレクター、マイケル・ガーテンバーグ氏は言う。

 「Appleには子供が学校へ持って行く携帯機器が必要だとわたしは思っているが、これはまったくの当てずっぽうだ」とガーテンバーグ氏の同僚で調査ディレクターのデビッド・カード氏は言う。カード氏は、自分の推測はおそらく間違っていると話す。確かに、Appleに関して言えば皆そうではないだろうか。

 「きっと、リモコン機能が(iPod)touchとiPhoneに統合された改良版のApple TVだ」と話すのはGartnerの調査担当副社長マイク・マクガイア氏。

 「そこまで(利益率に)大きな影響を及ぼすのなら、生産量は多いはずだ」とEndpoint Technologiesのロジャー・ケイ社長は語る。「だからMacラインアップだと思う。低価格のコンシューマー向けモデルだろうか? Mac miniに似ているが、もっといい製品だろう。ノートPC? 大量生産の低価格ノートPC? 世界を変えて、利益率を5ポイントも下げるような新しいカテゴリーは思いつかない。Wiiのライバル? ミニゴルフコース? ラスベガスにAppleブランドのカジノ? まったく分からない」

 では、わたしが考える謎の製品の正体は何なのか? マイクロプロセッサの移行だ。Appleは4月に半導体メーカーP.A. Semiの買収を発表した。Appleは一部製品向けのプロセッサを製造する計画だ。

 偶然ではあるが、わたしはこれを予言していた。わたしは4月に、Appleは最初に家電製品の一部と、「数カ月中にうわさになるであろう開発中の謎のApple製品」にP.A. Semiのプロセッサを採用すると予測していた。そこで謎の製品の出番だ。Appleはきっと、少なくとも既存製品の1つにP.A. Semiを採用するだろう。例えば、iPod用プロセッサを一新すれば、Appleは初めに関連するプロセッサの開発や物流のコストを負うことになり、利益率はたやすく低下する可能性がある。

 ガーテンバーグ氏はAppleの新製品を「推測するには老い過ぎている」のかもしれない。わたしは予測が間違っても気にしない。Appleが何をたくらんでいるか、皆さんはどう思う?

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