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Windows 7のバージョンは幾つ? 6つはやめてくれ

» 2009年01月27日 14時51分 公開
[Joe Wilcox,eWEEK]
eWEEK

 ああ、Microsoftはまた「多すぎるバージョン」というごまかしをやるかもしれない。

 皆さんもこのひどいお話をご存じのはずだ。MicrosoftはWindows XPでは3つだったバージョン(Starterを入れて)をVistaでは6つに増やして、顧客を混乱の渦に巻き込んだ。32ビット版と64ビット版もあるので、実際のバージョンはもっと多い。

 前回のブログで持ち上がった疑問への回答で、MicrosoftのPR担当者は、わたしを含む(Windows 7)β1ユーザーならば想像の付く答えをあらためて述べた。その答えはこうだ。「Windows 7のβ版は1つのエディションでのみ提供されている。これはWindows VistaのUltimateエディションにほぼ相当する」

 では、Windows 7にはほかに幾つのバージョンがあるのだろうか。当初のうわさでは、Business、Premium、Ultimateの3つと言われていた。先ほど見たGizmodoの投稿によると、バージョンは5つのようだが、6つある可能性の方が高いだろう。この状況はWindows Vistaのバージョン過多に少々似てやしないだろうか。Gizmodoの情報源は、中国のPC Betaというサイトだ(ちなみに、わたしがMicrosoftのPR担当者のコメントを得たのは、Gizmodoの投稿の数時間前だった)。

 Windows 7のバージョンはStarter、Home、Premium、Business、Ultimateの5つだと、PC Betaに掲載されている「Windows 7ビルド7025」のスクリーンショットと称する画像からは見て取れる。同OSの公開β版はビルド7000だ。もしもこの5つがあるのなら、Vistaにボリュームライセンス経由のみで提供されるバージョンがあるのと同様に、6つ目のバージョン「Windows 7 Enterprise」も存在するだろう。

 Microsoftよ、Windows 7を6バージョンもばらまくのはやめた方がいい。Vistaに負けずとも劣らないバッドアイデアだ。PCメーカーはWindows Vista Home Premiumを標準にしている。そこから「何か」くみ取れないだろうか?

 Windowsは歯磨き粉じゃない。「Windows 7歯石コントロール」「Windows 7ホワイトニング」「Windows 7トータルケア」なんて具合に売ることはできない。Business、Premium(またはUltimate)、Starterの3バージョンでも十分どころか多過ぎるくらいだ。わたしはやはり、1つだけのバージョンの提供を大いに支持する。バージョンが多過ぎるとユーザーは混乱する。PCメーカーはそれを分かっている。だからPremiumを標準にして売っているのだ。

 PC OSはほかの製品とは違う。わたしたちが買うほとんどのものは、特定の作業に特化している。アイロンがトースターの役割も果たすようなことはない。だがWindowsなどのPC OSは驚くほどいろいろなことをこなす。多くの作業を本当にうまくやってのける。愚かなバージョン分けは、そういうOSの特徴に反するような形で、恣意的に機能を分割してしまう。

 それから、これはMicrosoftのマネジャーへの警告(脅しではない)だ。もしも、大々的に宣伝している機能がWindows 7の一部のバージョンでしか使えないということになれば、ブロガーやレビュアーの親切を踏みつけにすることになる。約束したものを後で取り上げるようなことはしてはいけない。

 「おや、最新のネットワーキング機能は皆さんにテストしてもらったUltimateバージョン向けのつもりだったのですが。えっ、新しいタスクバーとAero PeekとJump Listが全部のバージョンに載ると思っていたのですか? そうじゃなくて、それはPremium向けの機能なんですよ」

 マーケティングの中で最悪なのは、約束したものを後で取り上げたり、条件付きで提供することだ。派手に宣伝している機能は、皆が使えるようにした方がいい。

 わたしにできるのは、PC Betaのスクリーンショットが偽物か、あるいはその情報が不完全であってほしいと願うことだけだ。6つのバージョンがあるというのなら、少なくとも3つは余計だ。Microsoftよ、そんなことは考えないでくれ。

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