Whatを見つけて、今いる会社でオンリーワンの自分になる自分らしいキャリアを築くために(2/3 ページ)

» 2006年12月18日 00時05分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

ポイント3──業務

 3つめのポイントは、入社から現在までの「業務」に関してです。今までの業務を振り返ってみましょう。やってきた仕事内容には、必ずプラスとマイナスがあります。「これは好きだ、やりがいがあった」という業務と、「あんなのは、もうしたくないよ」という業務がありますよね。もう少し厳密にいうと、業務の中で、好きだった/嫌いだった業務、成功した/失敗した業務、ということです。「あの案件、面白かったな〜」「よく乗り越えたよ」という場合と、「あれは嫌だった」「あんなミスは、もう犯せないよ」、というものがありますよね。業務にはプラスとマイナスがあって、プラスの中にも、自分の好みに合っていたからプラスなものと、単純に結果としてうまくいった、成功した、良かった、というプラスがあります。

 マイナスなことにも、自分の好みに合わないからマイナスなことと、大失敗したから成果としてマイナスなものとがあります。ここを問いかけていくと、「やっぱり自分はどんな業務が好きか/嫌いか」「どんな風にすれば、うまくいくか/いかないか」ということが引き出せます。

ポイント4──人間関係

 4つ目のポイントは「人間関係」です。どんな仕事でも、最終的な相手は人間です。「いや、僕の仕事はインターネットですから」といっても、場合によっては画面の向こうに人がいますし、文字でのコミュニケーションも、もちろん人間関係ですね。

 この際にも、プラスとマイナスがあります。「こういう人と付き合っていて良かった」「こういう同僚、いいよね」「こういう上司が良かった」、という良かったことと、「ああいう上司とは、もう働きたくない」「あんなお客さんとは、たとえいくらお金を出してくれたとしても、無理して付き合うのはやめたほうがいい」というように、悪かったことがあります。そして、業務のときと同様に、好みからくるプラス/マイナスと、成功、失敗からくるプラス/マイナスがありますね。「こんな風にしたら、すごくうまくいった」「あんな大会社だったけれど、こんなアプローチをしたときに、こんな風に人間関係を築けていった」ということや、反対に大失敗したときなど、人間関係でもプラスとマイナスを見ていきましょう。

 こうすることで、「やっぱり、こういうスタンスで仕事をしたい」ということが見えてきます。また「こんな風にすると、うまくいく」というのも分かってくるし、「こういう人たちとは付き合いたくない」「こういう人とは、うまくいかない」ということも見えてきます。

 プラスとマイナス両方を知っていないと、やみくもに仕事を請けて、やみくもに人と組んでしまうことがあります。すると、結局アップアップして、何がなんだか分からなくなります。極端ですが、「こういうお客さんとは付き合いたくない」となったら、断固として拒否したほうがいいのです。時間を浪費して、たいした収入にもならず、嫌な思いをして能率を下げ、次の仕事に支障があるのだったら、「申し訳ないですが、こういうお客さんとはお付き合いしません」と決めて、時間を大事に使ったほうがいいことが多いのです。

ポイント5──現在

 そして、「現在」を振り返ります。「入社する前」「当初」「業務」「人間関係」を振り返ってみて、「やっぱり何が大事だったな」とか、逆に「こういうのは避けたいな」というものが、ありますよね。

 また、「どうなってほしいか」を考えましょう。1つは「この会社で自分がどうなりたいか」です。リーダーになりたいのか、常に新しいものを開拓する見本になっていきたいのか、会社の根幹を守る立場になりたいのか、モチベーション役になりたいのか、サポート役になりたいのか、など、この会社で自分がどうなりたいのかを考えます。

 2つ目は、「同僚や部下に、どうなってほしい」「上司にどうなってほしい」を考えましょう。こうなってほしいと思って、じゃあ上司がその通りなるのか、というと、残念ながら、必ずしもそうなるわけではありません。でも「こんな風になってほしいな」という思いの中に、自分の価値観や思いを込められるし、それが少しでもあると、ダイレクトに言わなくても、徐々に相手に伝わっていくものです。

 3つ目は「この会社にどうなってほしいか」です。この会社で、「自分がどうなりたいか」「同僚や上司、部下がどうなってほしいか」に加え、「会社がどうなってほしいか」と考えることが、未来への指針になってきます。

ポイント6──現在から未来へ

 過去を振り返っていると、「1年後、自分のビジネスや会社がどうなってほしいか」「3年後はどうか」「5年後はどうか」というビジョンが出てきます。過去を振り返ることで、価値観が分かり、ビジョンが出てくるのです。

 話はこれだけでなのですが、以上のことを質問集にしてみましたので、実際に回答して紙に書いてみてください。

No 質問
今の会社に入ったきっかけは何ですが? どうして、この会社を選んだのでしょうか。そして、何に興味があったのでしょうか? 前の会社の、何が嫌でしたか? そして、今の会社に何を期待していましたか?
2 入社当初の様子はどうでしたか? どんな人がいて、どんな雰囲気だったでしょうか? 良かった同僚、先輩、上司はどんな人ですか? 嫌だった同僚、先輩、上司はどんな人でしたか? 良かった仕事内容はどんなものでしたか? また、嫌だった仕事内容は?
3 入社から現在までの業務を振り返ってみて、辛かったこと、大変だったことは何ですが? 喜びややりがいを感じたときは、どんなときですか? うまくいったときは、どんなときでしたか? あるいは、うまくいかなかったときは、どんなときでしたか?
4 入社から現在までの人間関係を振り返ってみて、ウマが合った同僚、先輩、上司、後輩はどんな人ですか? 反対に、ウマが合わなかった同僚、先輩、上司、後輩は誰でしたか? 人間関係がうまくいったときは、どんなときでしょうか? 人間関係がうまくいかなかったときは、どんなときですか?
5 現在を振り返って、今の会社での自分の役割は何ですか? 自分が仕事で大事にしたいことは何ですか? この会社で自分がどうなりたいと思っていますか? 上司、部下、同僚にどうなってほしいと思いますか? 自分がいることで、どんな会社になればいいと思っていますか?
6 未来に思いを馳せながら──1年後、今の仕事がどうなればいいと思っていますか? 3年後、今の仕事がどうなればいいと思っていますか? 5年後、今の仕事がどうなればいいと思っていますか?

 これらの質問に答えると、1〜4を通して5番目で、自分の価値観が出てくるかもしれません。価値観が出てくると、6番目で、1年、3年、5年後のありたい姿、ビジョンが出てくるかもしれません。ぜひ、参考にしてみてください。

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