動画で見るドキュメントスキャナ:後編(2/2 ページ)

» 2006年12月26日 21時32分 公開
[山口真弘,ITmedia]
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原稿の紙質やサイズによって、大きく異なる読み取り性能

 次に、さまざまな原稿を読み込ませた場合の読み取り性能を見てみよう。

 資料の切り抜きやメモ帳、ハガキなどさまざまな紙質・サイズの原稿をまとめて読み込ませた場合、正常に読み取りができる確率はDR-2050C2が高かった。時節柄ハガキをデジタル化するのにこの2機種を使ったのだが、通常のハガキのほか、写真印刷用の光沢ハガキやサイズが微妙に異なるハガキを10枚程度を読み込んだ際、DR-2050C2は8割程度が問題なく読み取れ、S500は3割程度の成功率にとどまった。

 従って、会議資料や社内文書のほかに、資料の切り抜き、伝票など異なる種類の書類を大量にスキャンする用途であれば、DR-2050C2がやや有利――という印象を得た。一概にはいえないが、DR-2050C2でダメならS500でもダメだろうということで、諦めもつく(?)のではないか。

 なお、紙詰まりなどのトラブルに対しては、どちらの機種も片手でカンタンにADFカバーを開けるのでフォローは簡単。業務用コピー機のように複雑な紙送りをしているわけではないので、ADFカバーを開くだけでほとんどのトラブルは解消できた。

紙が詰まった時のエラーメッセージ。DR-2050C2(右)が単にエラー表示だけなのに対し、S500(左)ではどの原稿まではきちんと読み取れたのか、サムネイル付きで表示する
原稿が詰まった場合は、ADFカバーを開いて取り出す

甲乙つけ難い性能、デジタル化したい書類に応じて選択を

 以上、主要機能に絞ってレビューしたが、どちらの製品にもそれぞれメリット・デメリットがあり、甲乙つけ難いというのが筆者の正直な感想だ。敢えて選ぶとすれば、ユーティリティを含めた全体的な完成度ではS500、読み取り率の高さや省スペース性などはDR-2050C2――だと判断する。もともとドキュメントスキャナという製品は、ユーザーごとに扱う原稿に大きな差があるので、それらによっても、選択肢は大きく変わってくるだろう。

 業務用の複合機の中には、PDF化したデータをPCを介さずにNASに直接保存したり、ネットワーク経由で送信する機能を持っている製品もある。今回紹介した2製品はそうした機能こそ搭載していないが、価格の手頃さや筐体のコンパクトさなど、個人やSOHOで使う上でコストパフォーマンスは高い。個人や部署単位での手軽な業務改善に、まさにうってつけの製品といえる。今回の動画レビューが、導入を検討されている読者の皆さんの助けになれば幸いだ。

S500とDR-2050C2
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