アイデア出しに効果的なブレインストーミング。このブレストの効用を高める4つのツールを1人用、グループ用に分けて紹介しよう。
うまくかみ合えば、たくさんのアイデアを生み出すことができるブレインストーミング(@ITの用語辞典)。そんなブレスト用のツールをいくつか紹介しよう。アイデアに困ったときに利用してみてほしい。
通常、参加者が多いほうが、たくさんの意見が出てくるのがブレストだが、1人でいろんなアイデアを出して、それぞれを比較・検討するのも効果的だ。ただし、1人ブレストの場合は確実にメモを取っておかないと、ただ“妄想しただけ”となりかねない。また、アイデアの重要度などが分かるようにメモを書きたい。単なるテキストよりは、連想がつながるって見えるマインドマップのようなツールを使うといいだろう。そんな1人ブレストを行うときは、こんなソフトが有効だ。
マインドマップを手軽に作れるのは、無料のオンラインソフト「FreeMind」だ(2006年9月の記事参照)。対応OSは、WindowsやMac OS X、Linuxなど。このほかJavaの実行環境が必要になるので、インストールがまだの方はあらかじめSun Microsystemsのサイトからインストールを済ませておこう。
ブレインストーミングできる無料のオンラインサービス「bubbl.us」。本来は、インターネットを介して遠くの仲間ともコラボレーションできるのが特徴だ。ただし、複数人でブレストを行うためにはスピード感が重要。編集部で試したところ、複数人でサービスを利用した場合、リアルタイムの更新はできなかった。少なくとも、1人ずつ更新し、保存する必要があるようだ。
とはいえ、吹き出しを消すときには爆発するアニメーションを表示するなど、グラフィカルなbubbl.usは操作していて楽しいサービスであることも事実。1人でブレストする時に、上手に利用するといいだろう。
ツールの説明をする前に、グループでブレストする際は、以下のことに気を付けよう。
さて、そうした理想的なブレストを促進させるためのツールが、次に紹介する2つのツールである。
カヤックがオープンしたブレスト用の無料オンラインサービス「babooo」では、最大12人まで同時参加できる。Flashベースのサービスでさくさく動作するのが印象的だ。
さすがにブレスト用のサービスなので、上で紹介したマインドマップ作成ツールとは一味違う操作感も特徴。例えば書き込んだアイデアは、ほかのユーザーが「共感」ボタンを押さない限り、1分間で消える仕組みとなっている。
しかも、単に消えてしまうのではなく、時間が経過するごとにYahoo! JAPANやWikipedia、Youtube、Flickrなどの検索結果を関連情報として確認できるようになる。さらにアイデアを入力するフィールドの脇にある「STORM」ボタンを押すと、それまでの発言を元に自動でアイデアを生成する。つまり、画面を前に悶々と悩むだけではなく、悩んでいると向こうからヒントめいたことを教えてくれる――というわけだ。
時間制限でいったん画面から消えたアイデアも、時系列で確認できる。ミーティングの議事録にも使えそうだ。また、お絵かき機能や、画像ファイルの貼り付ける機能なども付いているほか、オフライン時の作業をオンライン時に同期する機能も搭載した。一度試してみるのもいいだろう。
最後に紹介するのは、唯一オンラインではなくリアルのプロダクト。宮城県仙台市のベンチャー企業であるデュナミスが販売する“ブレインストーミングカードゲーム”の「ブレスター」である。
このブレスター、最大4人でブレストできる“カードゲーム”。プレイヤーごとに色を決めて、その色に応じてカードを配布する。カードには指令が書かれており、ほかのプレイヤーは従う必要がある。例えば、「次の言葉を言ってください。『それ、よいね。だって、○○だから。』」とあれば、ほかのプレイヤーからのアイデアを理由を添えて褒めなければならないのだ。
初めにアイデア出しのテーマを選び、順々にアイデアを出して行くあたりは通常のブレストだが、アイデアを出して、手元のカードを減らすことが“勝利条件”となるのが最大の特徴だ。ゲームに熱中すればするほど自然とアイデアが出てくるのである。
デュナミスでは、「60分間で約100のアイデアが楽しく出せる」という。ブレスト成功のコツは、「判断をある時点まで遅延すること」「選択肢を拡げること」を心がけるとよいとも。また、アイデアの発散だけでなく収束させるために、本来禁止事項である批判を“解禁”した「批判ブレスト」を行うことも効果的だという。
アイデアを出すのは、時にツラく苦しい作業になりがち。だが、楽しく効果的にブレインストーミングができるのであれば、利用しない手はない。自分の環境にあったツールやサービスを選択してみてはいかがだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.