坂本竜馬、コロンブス、アインシュタイン――リンクプレイスが設計した同社の会議室には偉人の名前がついている。そして各部屋は、その偉人に合わせた工夫を凝らしているのだ。
オフィス構築を手がけるリンクプレイスは、採用面接に使っている部屋にもこだわりがある(3月22日の記事参照)。この部屋を含む同社の会議室には坂本竜馬、コロンブス、アインシュタインなどの偉人の名前がついており、部屋にはその偉人にちなんだ工夫を凝らしていることを知った。
本物の“偉人会議室”を見てみたい――。そこで、リンクプレイスが入居するビルを訪ねた。このビルは東京・銀座にあり、リンクプレイスの親会社であるリンクアンドモチベーションなどが入居している。受付や会議室は親会社と子会社で共有。リンクプレイスはこのオフィスの設計や運用を担っている。
リンクプレイスは、顧客との打ち合わせの時には、できるだけ顧客に来社してもらうようにしているという。会議室や執務スペースを従業員が働く“生のオフィス”として顧客に見てもらいたいからだ。オフィスを見た顧客が「こんな部屋をうちにも作りたい」と言うこともある。このオフィスは、いわばモデルルーム的な役割を担っているのだ。
リンクアンドモチベーションやリンクプレイスは、顧客企業の問題点を発見し、何度もミーティングを重ねて解決のための提案をしていく。会議室もアイデアを出す段階やそれをまとめる段階、最終のプレゼンテーションなどさまざまな段階で利用されるのだ。このほか、リンクアンドモチベーションが提供している研修プログラムを受けに来る人が利用することもある。
さて、同グループを尋ねる人は、まずビル6階にある受付に向かう。受付があるのは「LinkPlaza」というスペースだ。ここは各会議室の中心にあり“出会いの場”として設計された。
受付近くの壁には一面に名前が書いてある。壁の中央にはリンクアンドモチベーションの小笹芳央社長による「ひとりひとりの本気がこの世界を熱くする」というキャッチフレーズがあり、これに賛同した来客や社員が名前を書き込んでいた。壁がいっぱいでこれ以上書きこむスペースがなくなってしまったため、現在は中止したという。
それでは、偉人の名前を冠した会議室をいくつか見てみよう。
探検家のクリストファー・コロンブスをイメージした「Columbus」はブレインストーミングなど自由にアイデアを出すための部屋だ。壁の赤をはじめとした暖色系の色を使い、丸いテーブルを置いている。特注だという卵型のテーブルは「コロンブスの卵」のエピソードを表す。それと同時に、四角いテーブルだと上座・下座ができてしまい、下座に座る人が委縮して意見を言いづらくなることを避ける役割もある。
物理学者アルベルト・アインシュタインの名前を付けた部屋「Einstein」は論理や統合を表す。「Columbus」などで自由に出したアイデアをまとめ上げたいときに使う。青など寒色系の色を使っており、直線を多用し、テーブルは四角形だ。
部屋の名前になっている偉人のなかで唯一の日本人、坂本竜馬からとった「Ryoma」。この部屋は唯一の和室だ。ほかの会議室はLinkPlazaからドアを隔てて直接つながっているが、この部屋だけは廊下を通しており、畳敷きであるため靴を脱いで上がることになる。これは部屋に入るまでの場面転換の役割を担っている。「何度も打ち合わせをしたお客さんと、ちょっと雰囲気を変えたいときに使うと、打ち解けた感じで話ができます」
「進化論」を唱えた生物学者チャールズ・ダーウィンから取った「Darwin」はJFMA FORUM 2007で展示していた部屋だ(3月22日の記事参照)。「成長・進化」を表現し、照明や家具で柔らかい雰囲気を出している。採用面接によく使われており、特に小笹氏による最終面接はここで行うことにしている。同グループは採用には力を入れており、採用シーズンには若手のエース級人材を集め採用のための部署を作るという。
女優マリリン・モンローにちなんだ「Monroe」は“お酒を飲める”部屋だ。テーブルの上にボトルが並んでいるほか、冷蔵庫もある。「内定者がここで祝杯をあげたりします」
天文学者ガリレオ・ガリレイの名を冠した「Galileo」は36席の広い会議室だ。主に外部の人がリンクアンドモチベーションの研修プログラムに使われる。そのため「視点・発見」をイメージしている。
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