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» 2007年08月14日 19時01分 公開

研修で教えてくれない!:第10回「転送のはずが返信に──起こりがちな“メール誤返信”の対策」

メーリングリストなどのメールを転送しようとしたら、間違えて返信してしまったことはないだろうか。そんな“誤返信”のリスクと対策を考えよう。

[山賀正人,ITmedia]

 大手総合商社「メデア商事」の営業部3課の新人・小林ケンタは、今日もいつも通りPCに向かい、メールのチェックをしていた。

小林 えっ? 何で?

 予想外の出来事に小林は思わず声を出してしまった。そこに、たまたま通りかかった先輩・高柳ワタルが声をかけた。

高柳 何かあったのか?

小林 社内のサッカー同好会のメーリングリスト(ML)のメールをほかの人に転送したつもりが、そのメールがなぜかMLに流れちゃってるんです。

高柳 お前、転送したつもりでMLに返信しちゃったんだろ?

小林 えっ? そんなことは……。

 小林は慌てて送信済みメールを確認した。

小林 ……あっ。

高柳 やっぱりそうだったか?

小林 ……はい。

 メールに関する「事故」として意外に多いのが、転送したつもりで返信してしまうケース。もちろん送信前に宛先を確認すればいいだけの話ではあるが、転送するメッセージに添える「本文」を書いているうちに、宛先の確認を忘れてしまうことがあるのだ。

高柳 メンバーが投稿可能なMLのメールに返信したら、そのままMLに流れてメンバー全員の目に触れちゃうから、かなり恥ずかしいよな(苦笑)

小林 恥ずかしいです……。

高柳 とりあえず、「さっきのメールは間違えて送ってしまったものなので、忘れてください」なり、「削除してください」なり、お詫びのメールを投げとくといいぞ。

小林 分かりました……。

 小林は恥ずかしさで真っ赤になりながら、お詫びメールを送信した。

高柳 それにしても、今回はたわいもない社内MLだったから良かったようなものの、外部のMLだったらえらいことだぞ。

小林 はい……。

 メールの宛先間違いはよくある事故である。そのためメールの送信時に宛先(to、ccともに)を充分に確認するというのは、メールを使う上での鉄則中の鉄則と言える。それでも人間のやることである以上、事故を完全に防ぐことはできないし、事実、今回の小林が犯したようなミスは後を絶たない。

 特に、メンバーが全員投稿可能なMLの場合、通常返信先アドレスはMLそのものである。したがって不用意に「返信」してしまうと、そのメールはMLメンバー全員の目に触れることになり、内容のいかんによっては甚大な「情報漏えい事故」となりうる。

 また、メンバーが投稿できないメールマガジンのような配信専門MLでも同様である。一般的にこのようなMLは、返信すると、MLの管理者に届くように設定されていることが多い。この場合、MLメンバー全員といった多数の目に触れることはないが、MLの管理者が外部の者である場合、これも当然「情報漏えい事故」になりえるのだ。

 このような「情報漏えい事故」のリスクを鑑み、MLのメールを「転送」するときには、「転送」と「返信」を間違えないように注意するのはもちろん、宛先を充分に確認することを決して忘れてはならない。以下に確認する方法や回避する方法を示すので、参考にしてほしい。

間違えやすいメールの誤返信を防ぐ
方法
その1 転送したいメールに返信するとき、ショートカットキーボードで行わない。[Ctrl]+[R](返信)と[Ctrl]+[F](転送)を間違えることを防ぐため。ショートカット愛用者は、その2に以下の確認を万全に
その2 本文を書いているうちに忘れないように、本文や件名を書く前に宛先(to、cc、bcc)を確認する
その3 返信と転送で異なる件名の「Re:」「Fw:」を確認する。宛先と合わせて確認しよう
その4 特に重要なメールには転送せず、引用したい箇所をコピー&ペーストして新規メールとして送信する
その5 間違えて返信してしまった場合は、削除してもらうようお詫びメールを出そう

著者紹介 山賀正人(やまが・まさひと)

セキュリティ関連の話題を中心に執筆中のフリーライター。翻訳(英語、韓国語)やプログラミング、システム構築等コンサルなど活動は多岐に渡る。JPCERT/CC専門委員。Webサイトはこちら


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