孫正義のプレゼンを作った男――サイバー大学・岩永公就さん達人の仕事術(4/5 ページ)

» 2007年11月19日 20時42分 公開
[鷹木創,ITmedia]

役割を知り、主役を食う

 西日本新聞社での研修を終え、2007年7月1日にソフトバンクに籍をおいたままサイバー大学に出向。現在の仕事である大学職員となった。「学生確保に関わる広告や営業の仕事も担当しています。初めは広報だけだと言われたのに……」と苦笑いする。

 「小学校から高校までいじめられっ子でした」と話す。良く言って、目立たないタイプ。クラスの運営にも必要とされていなかった。しかし静岡大学に入学し、演劇研究会に入って変わった。

 岩永さんは神奈川県の鎌倉出身。なぜ静岡の大学を選んだのだろうか。その理由は、周りに「誰も知っている人がいないこと」。知らない人たちに囲まれることで、人生をリセットできた。

 「本当は、他人に必要だと思われたかった」。演劇研究会で役者を演じることで、そんな欲求が自然に出せるようになったのだ。役者には役割があると知ったことも大きかった。「与えられた役割を頑張った結果、主役を食ってもいいんです」。西日本新聞社での特ダネも“主役を食った例”なのである。

 「新しい職場の人間関係は必ずギクシャクします。だから、サイバー大学でも新しいスタッフに飲み会の司会をやらせるなど役割を与えています」。飲み会では、なるべく馬鹿になってはしゃぐし、周りもそうなるよう仕向ける。「プライベートが分かると、お互いに許してあげたくなる」からだ。

 第一勧銀の法人営業から、ソフトバンクの広報へと転職し、新聞記者や大学職員と経験を積み重ねる岩永さん。「ほめられるとうれしい。がんばってしまう」と笑う。職場ごとに気持ちを“リセット”し、自分の役割を理解するよう努めたことが、それぞれの職場で活躍できた秘密かもしれない。

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