実は、徹底的な構造化をすると「情報量が多い方が考えやすくなります」。
意外なことですが本当です。人が「考える」ためには、どうしても考える「手がかり」が必要なのです。その「手がかり」をたどっていけるように構造化してあれば、情報量の多い方が考えやすく、逆に少ないと「丸暗記」しかできないため、印象に残らず結局すぐに忘れてしまうのです。
この話は重要なので次回具体例を含めてもっと詳しく書く予定です。
最後に1つ、ぜひ書いておきたいことがあります。それは、
ということです。意外にこの2つを混同しているケースが多いので注意が必要です。
プレゼンテーションもティーチングも、どちらも「人前に出てきて堂々と話す」という点では同じです。しかしそれ以外の面では根本的に違うといっていいほどの大きな差があり、結果、そのノウハウにも全く正反対なところが存在します。
最大の違いは、プレゼンテーションでは主たるメッセージが、
という型であるのに対して、ティーチングの場合は逆に、
だということです。「私ができます」対「お前がやれ」ですから180度違います。したがって、プレゼンテーションのノウハウをそのまま「ティーチング」の時に使うことはできません。「お前がやれ」である以上、「実際にやる」ための細部の情報を省略してはいけないのです。「教材を削減してはいけない」という理由はここにあります。「人前で話す」という見かけが似ているからといって混同しないようにしてください。
次回以降、このことも含めて「ティーチング」特有のノウハウをお伝えする予定です。
当連載でここまで扱ってきた「専門知識を教える技術」についての本が出版されました! 書名は『ITの専門知識を素人に教える技』(Amazon.co.jp)です。
8月22日(金)に、専門知識を教える集合研修の現場での「講師」としてのアクションに特化したセミナーを開催します。プレゼンテーションとは違う「専門知識を教える」ための問いかけ、間の取り方、言葉遣いといったティーチングのノウハウを、自ら考えながら身につけたい方はこの機会を逃さずご参加ください。
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IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『図解 大人の「説明力!」』
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