これじゃカバンも重くなる “防虫ガジェット”が海外出張の思い出樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」(2/2 ページ)

» 2008年06月05日 21時00分 公開
[樋口健夫,ITmedia]
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どこでもべープ、Dettol、モスキートヘッドネット

 ここまで読むと、読者の大半は自分には関係ないと思われるだろうが、それは甘い。地球の温暖化が進むに連れて、マラリアやデング熱など、これまで日本になかった種類の熱帯地方の感染病がどんどん北上してくるかもしれない。真剣に備えておく必要があるのではないか。

 9.11事件の後、世界中の空港で手荷物検査が厳しくなり、液体の持ち込みに制限を受けるようになった。スプレー缶は持ち込みができなくなり、従来はまったく検査もされなかった液体状の殺虫成分が入った電気殺虫器も没収されてしまった。

 それ以来、筆者は電池式の携帯殺虫器「どこでもベープ」を持参している。これは粒状殺虫剤を、小さなファンで噴き出すもの。どれだけ殺虫効果があるか不安だったが、ネパールで新品を使っていたら、読んでいる本の上に仮死状態になった蚊が落ちてきた。

液体状の殺虫成分が入った「アースノーマット」(左)と、「どこでもべープ」(右)

 効果は確かめられたが、いつまで殺虫効果が残っているのか分からないのが不便でもある。なので、安全のために出張の度に新しい殺虫顆粒ユニットを購入している。山林やジャングルなどを観光で訪問する際には、さらに防虫ネットマスクや、寝る時には蚊帳を張ることも必要だろう。

 例えば、インド、ネパール、ベトナムなどの水の衛生状態が悪い地域での過ごし方だ。絶対に飲料に適さない水道水で風呂に入る時には、筆者は殺菌剤「Dettol」を点滴してから入ることにしている。東南アジアの地方部で同じ宿舎で長期滞在する時には、筆者なら以下のようにした。

殺菌剤「Dettol」
防虫対策
1 アースレッドのような水を入れれば煙が出て、部屋中のゴキブリ、ダニ、ノミ、蚊などを完全に殺虫してしまうものを、日本から事前に別便で送っておく。半年に1回程度は使っていた(飛行機には持ち込めないので注意)
2 その土地の電圧に合った電熱型の殺虫器を使う
3 長期滞在で住んでいるところの密閉度が悪い場合は、蚊帳もする。携帯式の蚊帳も発売している
モスキートヘッドネットをかぶった

 企業の国際化と生産拠点の多様化で今後は、読者も簡単に海外に出張し、長期間滞在することもあろう。くれぐれも蚊には注意してほしい。

今回の教訓

ゾウを倒すアリもいる。蚊に油断召さるな――。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンズ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


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