ブレストに遊び心を醸す3つのアイテムアイデア創発の素振り(1/2 ページ)

先日、「会議の前に創造ムードを活性化する」クリエイティブトイ(創造的なおもちゃ)を紹介した。今回は、ブレインストーミングの時にテーブルに置いておくと遊び心を醸す3つのアイテムを紹介したい。

» 2008年06月16日 14時50分 公開
[石井力重,ITmedia]

 アイデア会議(ブレインストーミング)のテーブルには、関連する資料、よく書けるホワイトボードマーカー、ポスト・イットやメモパッド、無料のお菓子やジュース――などなど、用意しておくといいものがある。

 そうした用意しておくといいものの中に、普通の会議室では用意していない、遊び心を刺激するのに有効なアイテムがある。なお、遊び心が醸せれば「無条件にOK」というわけではない。遊び心がありつつも、ブレストの妨げにならないものでなくてはならないのだ。

ブレストの妨げになる5つの条件

 アイデアプラントというプロジェクトで事業アイデアの創造を支援する仕事をしている筆者は、さまざまなブレインストーミングに同席する。

 試せる機会があるたび、遊び心を刺激するアイテムを持ち込んで試してきた。すると「ブレストの妨げになるもの」が持つ5つの条件が浮かび上がってきたのだ。


アイデアプラント経験則「ブレストの妨げになる5つの条件」
条件 アイテムの例 理由
その1 手や机が汚れる 粘土やスライムのような粘性物 手と机が使えなくなり、発想の流れが落ちる。本人や周囲が不快になる恐れも
その2 面白過ぎる 面白いマンガや雑誌 読みふける人が現れ、周囲の人が不快になる。ムードが悪くなる
その3 直感的ではない 難解な知恵の輪やパズル 理解に難しいとストレスになる。あるいは、そのアイテムの理解に時間がかかり、発想の流れが伸びない
その4 危険である 鋭利な部分のある専用工具など どういう風に触っても絶対安全でないと、安全に注意を払わないといけなくなり、深く集中できない。発想の流れが伸びない
その5 関係し過ぎる ブレストのテーマに関係し過ぎるアイテム 目の前にあると、意識がそこに吸引されすぎて、広い観点で自由に考えるにくくなる
5について:例えば、長靴のアイデアを出す時に、自社のオーソドックス商品を1つだけ持ち込むと、そこの回りに小改良を加える発想ばかりになりがち。しかし、現物を持ち込むことは、いい面も多い。一般に、現物・現場は、発想を強く刺激するのに有効だ。意識が吸われすぎて観点が狭くならないように、現物の持ち込みは、ライバル品も含めて、バラエティーを持たせて用意したい。
なお、これは経験則であり、そのほかにも気付いていない条件があるかもしれない。読者からもぜひ、はてブやトラックバックで、アドバイスいただきたい。

 さて、粘土はダメ、DVDや漫画やゲームもだめ、ちょっと難しい遊び道具もだめ、とがったり鋭利なものもだめ、自分の仕事に関係深いものもだめ。そうなってくると、いったい「5つの条件」を含まないアイテムがあるのだろうか。実はブレストに持ち込んで、遊び心を醸しつつも、ブレストの妨げにならなかったアイテムがいくつかある。特に優秀だったのは“知育玩具”である。

 幼児の知育玩具には、上記の5条件がほとんど排除されている。なにせ子供が使うものなので「手は汚れず」「大人にとっての面白さは、ほどほどであり」「直感的に扱えて」「とっても安全であり」「大人の世界には強い関係性がない」ものばかりだ。大抵はネットで入手できることも魅力的である。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ