先日、苦労して初めてのレビュー記事を書きあげた。「これはいけるだろ、けっこうアクセスいっちゃうんじゃないの?」などと密かに期待していた筆者に、待ち構えていた現実は――。
2008年06月24日〜2008年06月30日
先週のアクセスランキング1位に輝いたのは、来日したMozilla Corporation CEOであるジョン・リリー氏の会見をリポートした記事。 コードネーム「Fennec」で呼ばれるFirefox Mobileについて語った内容に注目が集まった。関連記事が2位、4位、8位にもランクインしたFirefox 3は、リリースからの24時間で800万2530件ダウンロードされてギネス記録に認定されたようだ。
絶好調のFirefoxに比べて、ここのところなんとなく調子がのってこない筆者。Webブラウザと自分を比べている時点で「確かにこいつ調子悪いな」と伝わりそうなものだが、原因は分かっている。先日掲載したこの記事である。
「新人記者が仕事に使えるICレコーダーを選ぶ」というテーマで、初めて挑んだレビュー記事。自分で企画を立て、借りる機種を選定し、メーカーに連絡を取り、企画の趣旨を説明し、ようやく比較する数機種のICレコーダーが届いた。もちろんすべて初めてのことだ。実際の下調べも大変で、当然メーカーごとに操作法はバラバラ、「このDPCってボタンはなんだ?」「音質モードありすぎだろ……全部聞き比べるのか?」と、とにかく焦った。返却期限も迫る中、なんとか記事を書きあげ写真を撮り終えたときは、ものすごい達成感を覚えたものだ。
に・も・か・か・わ・ら・ず。なんですかこれはー。掲載してから今日で5日目。Biz.IDページ右中央部の「アクセストップ10」には「ICレコーダー」の「あ」の字もない(最初からない)。「これだけ時間をかけたんだからそこそこいけるだろ、もしかしたら1位かもよ? うーん来週のTOP10では何を書こうかなあ」なんて気楽に考えていたのに……。自分が十数分で書きあげた記事の方がよっぽど読まれている始末だ。
読者諸氏からしたら「記事にかかった時間なんて知らないよ。さーてと今日も発泡酒飲んで寝るか」という感じだろうが、日ごろからブログやWebサイトで情報を発信している人ならば、この気持ちも分かっていただけるかと思う。「長い時間をかけて書いたものほどあまり反応がなく、短い時間でさらっと書きあげた記事に限ってウケる」……このセツナイ現実を、ようやく身をもって実感した筆者。
「一目見てピンときた洋服は後々まで繰り返し着るけれど、悩みに悩み抜いて買った洋服は結局あまり着ない」というのは筆者の得意なパターンなのだが、なんとなく今回の件もそれに似ているような気がする。洋服ならば「迷ったら買わない!」と決めてしまえばいいのだが、「迷ったので書きません」などと発言したらたちまち「あそう、じゃあ明日から来なくていいよ」となるのが社会人のつらいところだ(当たり前である)。
店頭でかき集めてきたICレコーダーのカタログを見つめながら、「迷わず行けよ、行けば分かるさ」という名言が脳裡に浮かぶ。迷わず行けるだけの精神力を身に付けるべく、日々精進を誓う新人記者である。
……ちなみに、この記事は迷いに迷って長時間をかけて書いている。「迷うと残念な結果になる」法則の正当性は、読者諸氏に判断してもらいたい。
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