数日前に確認して「海外邦人」と親密になる方法樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

海外出張の時、荷物を増やすことになるが、外せないのが現地で受けれいてくれる日本人へのお土産だ。うまく渡せればグッと親密になれる。さて問題は、その選定方法である。いかに選ぶか――。

» 2008年07月03日 16時47分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 海外出張の時、筆者が重い荷物を持ち歩いていることはすでに何度か話した。さらに、荷物を増やすことになるが、外せないのが現地で受け入れてくれる日本人へのお土産だ。

 ビジネスライクに考えるならば、仕事することとお土産を持っていくことは関係がないと言う人もいるだろうが、筆者としては気持ちよく仕事するためにも心遣いは大切だと思う。

事前の問い合わせ

 お土産を持参するなら、現地の邦人と電話でコミュニケーションすることがお勧め。メールではなく、電話を選ぼう。電話であれば、何よりもお互いの声を聞くことで双方の雰囲気が伝わり、初対面の堅苦しさが少しでもなごむからだ。相手もどのような人が訪問してくるのか心配していることもある。国際電話の通話料が気になるならSkypeでもいい。

 筆者は渡航の数日前に、「何か必要なものはありますか? あれば、お持ちしましょう」と聞くことにしている。ポイントは、何日か前に余裕を持って問い合わせること。

 というのも電話の場合、その場では相手が答えられない場合もあるが、後になって依頼が来ることもあるからだ。「持病の薬を」「家内が読みたいと言っている本があるのですが」「最近発売になったデジカメ用のメモリで」――などだ。

 こちらが事前に電話している真意は、もう1つある。それは空港などの迎えの確認なのだ。「空港でのお迎え、よろしくお願いします」。本当はこれを言いたくて電話しているのだ。

 来客が極めて多い事務所などに訪問する場合、時として相手がこちらの到着を忘れてしまうことがある。初めて訪問する国で忘れられてしまうと、道に迷ったりしかねない。数百回の出張経験で、何度かひどい目に遭った。事前の伝はそれを防ぐためである。何よりも「私が空港で待っています。緑の封筒を持っていますからね」と、教えてもらえば安心できるではないか。

 さらに、「現地で何か注意することはありますか」と問い合わせもできる。持参不可能なもの、防犯上の注意点、外貨の交換などの方法など、教えてもらえるかもしれない。

お土産の中身、何にする?

 さて、肝心なのはお土産の中身。海外で20年間生活していた筆者は、どんなお土産をもらったらうれしかったかを思い出して用意している。

食べ物

 食べ物に関しては渡航先の国の輸入規則に注意する必要がある。オーストラリアのように、卵類や肉類などを含む食品は、手荷物であっても一切持ち込みができないというケースもある。すべて没収されてしまうことになるのだ。総じて、肉類の加工品をお土産にすることは難しくなっている。

 若いころは、甘いものや辛いもの、酒の肴などが最高だった。あんの入ったもなかや薄皮まんじゅう、ようかんなどもありがたい。もちろん、いただいたら同僚たちに分けたものだ。

 筆者がいつも標準的に持参するのは、銀座コージーコーナーのリーフパイのような、軽くて、おいしく、見た目にもボリューム感があるお菓子である。米国人の友人の奥さんが、このリーフパイに「すごく美味しいわね」と感心していた。それにリーフパイは、箱に詰められた枚数で価格などが調整できるので便利だ。

 もらってうれしかったのは良質の日本茶(煎茶)だった。お茶は袋ごと冷凍すると日持ちする。そうやって大切に飲んでいた。

非食品系お土産

 食べ物以外のお土産となると筆者は書籍を持って行くことが多かった。特に、ある程度知っている社内の人間ならば、筆者が実際に読んで素晴らしいと思ったベストセラーを数冊持参していた。

 「本はお好きですか」とちらりと見せて、相手の反応を見た上で「最近読んだ本ですが……」と言いながら、「これすごく面白かったんです。いかがですか」と何気なく置いてくる方法もある。

 最新の週刊誌や月刊誌を10冊ほどまとめて持ってきた人もいた。その中には、婦人向け雑誌もあったので、現地のご婦人たちの間で回し読みしていたようだ。

 それから現地でお世話になる人に、あらかじめ「ところで○○さんは、ご家族一緒ですか。お子さんは?」と何気なく尋ねておくのもいい。子供の年齢を聞いておくのだ。

 もし年齢が判明したら、子供向けに日本製のおもちゃをお土産に持って行く。年齢によってだが、ハナヤマの「キャストパズル」などのパズルものから、最近はではタカラトミーが発売している超小型ラジコンカー「Q-STEER」(キューステア)や、超軽量ラジコン飛行機「エアロソアラ」を持参した。

左からハナヤマの「キャストパズル」、タカラトミーの「キューステア」と「エアロソアラ」

 簡単なものから超難関なものまで各種用意すると喜ばれる。子供にお土産と思ったが、親のほうが喜んでいたのだから面白い。

今回の教訓

荷物はますます重くなる――。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちら


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ