iPhoneのカメラは最新のケータイに比べると性能が悪い。フォーカスはもちろん露出補正やホワイトバランスもいじれない。ましてや手ブレ補正だってないのだ。でも、工夫をすれば面白い写真も撮れるし、見せびらかすことだってできるのだ。
iPhoneが発売されて約1カ月。iPhoneが普通の携帯電話とはあまりにも異なるために、iPhoneはここが駄目だとかこんなことができないとか、そういう部分を特集した記事を見かけることも多い。でも個人的にはiPhoneでできることを探していくことの方がずっと楽しい。そうやってiPhoneならではの機能を使って積極的にiPhoneを楽しんでいきたいのだ!
というわけで、今回は筆者がいかにiPhoneのカメラで楽しんでいるかを紹介したい。なお、今回の写真は全てiPhoneで撮影したものなので、ちょっとピントが甘かったりするものがあるがご容赦いただきたい。
iPhoneのカメラは最新のケータイのカメラに比べると性能が悪い。オートフォーカスもついていないし、露出補正やホワイトバランスもいじれない。ベストショット機能などはついていないし、ましてや手ブレ補正だってついていない。でも、頑張ればキレイな写真も撮れるし、使い方次第では面白い写真が撮れるのだ。
どんな面白い写真が撮れるかというと、こんな写真だ。本来ありえないほどビルや景色がゆがんでいるのが分かるだろうか。ビルが「ぐにょーん」とした感じになるのが面白いので、筆者はこれを「ぐにょーん写真」と勝手に呼んでいたりする。
やり方にはちょっとコツが必要になるが、ようはシャッターボタンを押してから画像が保存されるまでの間にiPhoneを回転させてやればいい。このとき、iPhoneのシャッターボタンは押した時ではなく指を離した時にシャッターが切れるということを覚えておくといいだろう。
回転速度がゆっくりならばゆったりとしたぐにょーん写真になるし、一回転させたりするとぐるぐる写真になったりする。もともとはこちらの記事に触発されて撮り出した写真なのだが、面白くてすっかりハマってしまった。
iPhoneのカメラは単焦点でズームがついていない。マクロにも弱く、近くて小さいものはなかなかうまく撮ることができないのだ。そんなときには、普通の虫眼鏡を使うと焦点距離を近くする、つまりは近いものにピントを合わせることができる。
まず定番なのは、老眼鏡を使うことだ。100円ショップで売っているような老眼鏡でも十分な度があればマクロ写真を撮ることができる。iPhoneのレンズのところに老眼鏡のレンズをフレームが入らないように合わせるだけでマクロ写真を撮ることができるのだ。実にお手軽といえる。
また、マクロ専用レンズを使うのもいいだろう。例えば先日の3分LifeHackingで紹介したKenko DIGITALのおもしろレンズシリーズNo.8「寄って寄って撮れる」だ。粘着クッションを使って簡単にiPhoneに着脱できるこのレンズを使うと、なんと3センチまで寄って撮ることができる。もっとも、3センチ以外にはピントがあわなくなってしまうのが欠点かもしれないが、それよりも遠い距離のものを撮りたい時にはレンズをはずせばいいのだ。
また、もっと本格的なものではトダ精光のK-400がある。こちらはマグネットを使って接着する本格派だ。ちょっとiPhoneの曲面に接着用リングを付けづらいので扱いが難しいのが難点だが、こちらも3センチぐらいまで寄って写真を撮れる。なお、これらのマクロ写真は全てK-400とiPhoneで撮ったものだ。
もともとこれらの製品は、昔の携帯電話でよく使われていたものだ。ところが今の携帯電話のカメラの性能が良くなりすぎ、オートフォーカスなどが当たり前になるにつれて店頭から姿を消していってしまった。今はほとんど見かけない。iPhoneの普及に合わせてさまざまなバリエーションが登場してくれると、もっともっとiPhoneのカメラが楽しくなるのでぜひ販売して欲しい。
このようにして撮った写真をどうするか。これはちょっと問題だ。世の中には自分で撮るだけ撮ってそのままにする人もいるかもしれないが、やっぱり面白い写真を撮ったらいろんな人に見せびらかしたい。ところがiPhoneには写真のリサイズ機能などがないため、そのままほかのキャリアの携帯電話に写真を送れない場合がある。ここは少し残念な点だ。
だが、iPhoneにはほかのキャリアに送れないという欠点を補って余りある魅力のあるアプリケーションがある。それが「Big Canvas PhotoShare(以下PhotoShare)」だ。
このPhotoShareはいわゆるSNSで、登録者は自由に写真を投稿し、ほかの人が投稿した写真を見られるし、自由に写真にコメントをつけられる。秀逸なのはそのユーザーインタフェースで、iPhoneのSMS(もともとはiChatの画面)と同じようにコメントをつけることができたり、その場で撮った写真やすでにiPhoneにある写真を簡単に説明付きで投稿できる。
自分以外のユーザーは家族、友達、フォローの関係に分けられるほか、それぞれ「家族と共有」「友人と共有」「全員に公開」と公開レベルを分けられる。家族や友人は電話番号やメールアドレスを知っている人を招待という形で登録し、フォローはその場で誰でも登録できるのだ。Twitterのフォローと同じような感じと言えば、なんとなく分かってもらえるのではないだろうか。
これがもう楽しくて楽しくてすっかりはまっている。この楽しさはおそらく常に持ち歩いているiPhoneからそのまま写真をアップロードでき、さらにほかの人の写真を見ることができ、そのままコメントまでつけるという、写真を楽しむ時の全ての操作が簡単にできることからきているんだと思う。
何でもない写真でもコメントがつくとうれしいし、また知らないほかの人の写真を見て「おおっ!」と思ったものにコメントをつけたり、そのコメントに返事をもらえたりするのも実に楽しい。また、海外のiPhoneユーザーからもコメントがもらえたりするのも楽しい点だ。
手軽に投稿できる点と、iPhoneを常に持ち歩いているところから、筆者はライフログに使ったりもしている。「Today's breakfast」とか「Today's lunch」といった感じでその日に食べたものの写真を投稿したり、遊んだところの写真を撮ったりと、とにかく写真を撮ったらPhotoShareに投稿するという感じだ。花火の写真やぐにょーん写真なども全部PhotoShareに投稿し、公開している。また、暇な時にはぼーっと全体に公開されている写真や人気の写真を見ているだけでも非常に楽しい。
残念ながらiPhone/iPod touchからしか写真を投稿することはできないが、写真を閲覧するだけだったらWebページからでも可能だ。登録したユーザーならば、Web上からコメントできる。
というわけで筆者はこのように、ぐにょーん写真を撮ったりマクロ写真を撮ったり、それらをPhotoShareに公開したりしてiPhoneのカメラを楽しんでいる。いずれもiPhoneならではの楽しみ方――と言えるのではないだろうか。
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