その4 雨乞いの天才ビジネス力1分間トレーニング

あるお寺のお坊さんが雨乞いの祈りをすると、必ず雨が降るそうです。さて、それはいったいなぜでしょうか?

» 2008年08月19日 08時30分 公開
[西村克己,ITmedia]

Question

 あるお寺のお坊さんが雨乞いの祈りをすると、必ず雨が降るそうです。さて、それはいったいなぜでしょうか?(複数回答可)

  1. それはあり得ない
  2. 長崎のお坊さんだから(歌:『長崎は今日も雨だった』)
  3. 雨が降りそうになる前にお祈りをするから
  4. 雨が降るまで祈り続けるから

Answer

今回の問題は『問題解決力1分間トレーニング』の35問目から出題

 この問題では、何日以内に降るという「時間」に関する記述がありません。したがって、「雨が降るまで祈り続けるから」というのが正解です。正答例は(4)です。(3)でも可。

解説:モレやダブリがない状態で全体を概観しよう

 モレやダブリがない状態で全体を概観することで思考力を高めることができます。

 モレがあると、論理思考の障害になります。たとえば、新規事業のいい面ばかりを主張したとします。しかしリスクについて十分に検討されていなければ、優れた提案とはいえません。

 一方、ダブリがあると、全体と部分の関係が複雑になります。全体と部分の関係が分かりにくいと、本人も聞き手も混乱してしまいます。

 モレやダブリがない状態を、ミッシー(MECE:Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)といいます。ミッシーで全体像を整理することで、全体と部分の関係を整理して体系的に進めることができます。

 ミッシーの活用場面としては、何か新しいことをはじめるとき、全体像を見失っているとき、努力してもモグラタタキ状態で成果や出口が見えないとき、少ない努力で成果を上げたいときなどです。また何かを分類するときには、ミッシーを留意しましょう。

 最も分かりやすいミッシーの例としては、性別で男と女でミッシーです。また数値化できるものものは比較的ミッシーにしやすくなります。たとえば、年齢層や所得層などはミッシーで分類することが容易です。

 なお、ミッシーで全体像を把握したら、重要度評価をして優先順位をつけます。全体を見わたして、チャンスや投資対効果が高いところに着目することで、少ない努力で成果を上げることができます。

著者紹介 西村克己(にしむら・かつみ)

 岡山市生まれ、大学教授、経営コンサルタント。1982年東京工業大学経営工学科大学院修士課程終了。富士写真フイルムを経て、1990年に日本総合研究所に移り、主任研究員として民間企業のコンサルティング、講演会、社員研修を多数手がける。2003年より芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科教授。専門分野は、MOT(技術経営)、プロジェクトマネジメント、経営戦略、戦略的思考、論理思考、図解思考。

 主な著書に、『経営戦略のトリセツ』『よくわかるプロジェクトマネジメント』『図解する思考法』(日本実業出版社)、『戦略構想力が身につく入門テキスト』『論理的な考え方が面白いほど身につく本』『論理的な文章の書き方が面白いほど身につく本』(中経出版)、『戦略思考トレーニング』『論理的な考え方が身につく本』『論理的な話し方が身につく本』(PHP研究所)、『スピード仕事術』『戦略経営に生かす兵法入門』(東洋経済新報社)、『脳を鍛えるやさしいパズル』(成美出版)など、約60冊。



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