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» 2008年09月29日 15時18分 公開

実践! 専門知識を教えてみよう:第18回 常識的な概念ほど、きっちり定義を考えなければならない (2/3)

[開米瑞浩,ITmedia]

内包的定義と外延的定義

 概念を定義する方法としてまず押さえておきたいのは「内包的定義」と「外延的定義」の2種類です。試しに、先ほどの「食品」の定義をこの2種類で書いてみましょう。

「食品」の内包的定義

 食品とはすべての飲食物をいう。ただし、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。

「食品」の外延的定義

 食品とは、パン、おにぎり、メロン、スイカ、イチゴ、マグロ、サバ、サンマ、サイダー、リンゴジュース……(以下略)……である。


 要するに、ある概念に属する要素に共通する性質を語るのが内包的定義、要素そのものを列挙していくのが外延的定義です。当然ですが、外延的定義は要素の数が多すぎるときには使えません。「食品」というのもその例で、真面目に列挙していくときりがないので、

  • 食品としては例えば、パン、おにぎり……などがある。

 のように、「など」を使って残りの列挙を打ち切るのが通例です。ただしこれでは当然ながら厳密な定義にはなりません。したがって、このような場合は

  • 内包的定義で「厳密性・網羅性」を確保しつつ、
  • 具体的なイメージを湧きやすくするために「外延的定義」を併用する

 のが常套手段になります。実際に書くと下記のようになります。

内包と外延を併用して「食品」を定義

 食品とはすべての飲食物をいう。ただし、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。

 例えば、パン、おにぎり、メロン、ミネラルウォーターなどは食品であり、風邪薬や頭痛薬や歯磨き剤は食品ではない。


 以上、内包的定義と外延的定義の違いは分かりましたか? 内包的定義だけでは抽象的でイメージがわきにくく、外延的定義だけでは散漫な列挙になったり網羅性が欠けたりすることが多いので、うまく両者を併用して、必要な「定義」を行うようにしましょう。

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