ここで女性脳と男性脳が何を指すのか、2つはどうズレているのかを黒川さんの解説に沿って大まかに解説しよう。
人間の脳は左脳と右脳に分かれる。左脳が主に言語の認識、計算、論理的思考などを、右脳が主に直感、ひらめき、イメージ、創造などをつかさどっている。そして左右の脳の間に「脳梁(のうりょう)」という部位があり、左右の情報を橋渡しする。
この連絡部位が女性は生まれつき太い。こうした構造の脳を女性脳という。男性は脳梁が細く、こうした脳を男性脳という。
脳梁の太さは、左脳と右脳が情報連携する速さに直結する。男性は脳梁が細いため連携が遅い。一方、太い脳梁を持つ女性は、絶えず右脳が直感でとらえた情報を脳梁を通じて左脳に送っている。このため女性脳の連携頻度は男性脳の十数倍に上るという。
つまり女性は常に、右脳で感じたことを次々に左脳に送って言語化しているため、感じたそばから口に出せる。しかも情報を認知してから話す行為まで0.6〜0.7秒しかかからない。
例えばケーキをひとくち口に入れたとしよう。女性なら口に入れたそばから、「このケーキ、甘みが控えめでスポンジはほどよくしっとりしていてやわらかく……」と次から次へとよどみなく感じたままを口にできる。一方、男性はワンクッション置かないと、舌で感じた感覚を言葉に変換できないのだ。
その一方で、対話力に長けて生まれる男性もいる。彼らは女性脳に近い脳構造で生まれ、同性愛者になるケースが多い。振り付け師でタレントのKABA.ちゃんは自分の脳を調べたところ、脳梁が太い構造だったという。
男性同性愛者は、ゴールに一直線の男性と寄り道好きな女性の両要素を合わせ持ち、コミュニケーション能力が高いといわれている。米国ではこの能力を買って積極的に採用する会社もある。
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