失敗したときに立ち直る方法を知るのだシゴトハッカーズ(3/4 ページ)

» 2008年10月30日 13時53分 公開
[大橋悦夫、佐々木正悟,ITmedia]

例えば今の例ですと、「直属の部下が頑張っているんだけど、ミスをしてしまった」という言葉で説明できる事柄が、「怒り」(などの負の感情)の原因になっていると考えます。この「直属の部下が頑張っているんだけど、ミスをしてしまった」と言語化するのがポイントです。私たちはよく、感情というものを、「言葉で説明しても意味のないもの」「論理的でないもの」と考える傾向があるのですが、言葉で説明できることが感情を作り出してしまう、と「論理療法」的には考えるのです。

 ですから、怒りなどの感情が実際に燃え上がってしまったら、その直接の原因になっていることを言葉でいったん説明し、その言葉で説明された「原因」をどうやって取り除くことができるかを、また文章で表現します。この表現が適切であれば、怒りは静まると説明します。こうやって説明するとややこしいですが、やっていることは、わりと単純です。問題はむしろ、言葉で説明しても感情は動かせないという私たちの思い込みが強いため、この思い込みを払拭できるかどうかが、この療法の正否を握る鍵になります。

実は感情は言葉で生まれているのだから、再度言葉にすることで感情も動かせるんだと。


ここが少し難しいのですが、より詳しくいうと、感情は「言葉で説明できる事柄」と密接に関係しているのだから、言葉による説明と感情を切り離すことは無意味だ、ということです。だから「論理的」に考えることは、感情をコントロールするのに必要十分な力になるということです。


なるほど、例えばどんなことを、どんな言葉で説明してみればいいのでしょうか?


例えば、セミナー会場などで、質問しようとしてもなかなかできない、シャイな人っていると思います。そうした人は、いざ質問しようとすると、すごく不安な気持ちになるわけですが、そのとき「自分はなぜ不安になっているのかといえば、ここでおかしな質問をして、会場の人にバカなヤツだと思われるのが怖いからだ」というように、自分の感情に密接に絡みつく事柄を、言葉で説明するわけです。

 ここから、会場の人にバカなヤツだと思われるのが怖くなくなるには? とか会場の人にバカなヤツだと思われるのがそれほど怖いのはなぜか? というように論理的に突き詰めていくのです。そうして、怖くなくなる考え方や、怖がらずに済む考え方を文章化できれば、最初ほどの不安はなくなるとされます。

なるほど! こうやってやるわけですね。怒りや恐れを、ロジカルに取り除く方法が見えたように思います。どうもありがとうございました!

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