ポケットの中の“戦争”――なんでこんなに持っていく? 中身を6分類樋口健夫の「笑うアイデア、動かす発想」

空港で所持品検査の時に筆者は自らを“武装解除”する。しかしどうして、こんなにたくさん持ち歩くようになったのだろう――。

» 2008年11月06日 08時00分 公開
[樋口健夫,ITmedia]

 成田空港で所持品検査を受ける時に筆者は、検査の列に並んで自らを“武装解除”する。この解除に結構時間がかかるので「あ、どうぞ、先に行ってください」と、後に並んでいる人に列を譲ったりもする。

 筆者のカバンは重い。だがカバン以上に大変なのは体に身に付けているものである。全部外さないと、金属探知器がピーピーとうるさいのだ。

 ポケットの中には筆箱。airpen(赤/黒)とその替え芯が数本、筆ペン、シヤチハタの印鑑と一緒になったペンが入っている。筆箱のほか、ごっちゃになった鍵の束、ICレコーダー携帯電話イー・モバイルの「EM・ONEα」、財布、小銭などなど。胸ポケットのボールペン数本やポケット以外では、腕に付けたタンデム式の腕時計GPS腕時計――これらをはずしてようやく解除完了。ゲートをくぐっても金属探知器は黙ったままである。

 齢60歳を数えて過去を振り返り、「どうして、こんなにたくさん持ち歩くようになったのだろう」と考えた。20代からずっと海外に赴任し、言葉では通じなくても、道具では負けじと思っていたからかもしれない。「これが要りますね」とさっと出せるようにしていたのだ。

 海外生活をサバイバルするために、ポケットにいろいろなものを入れだしたのだろうが、仕事に役立ったことは数えきれない。ただ、ポケットに入れているものも、長い間に淘汰されてきた。ポケベルが入った時もあるし、海外では外貨用の2つめの財布を入れることがある。

 ちょっと分類してみると、ポケットに入れているものは6種類だった。

分類 ポケットの中に入れていたもの
仕事 財布、携帯電話、EM・ONEα、ICレコーダー、百枚名刺入れ、手帳
アイデアマラソン ペン類、ICレコーダー、ハンディスキャナの「ドキュペン」、プールでアイデアマラソンするための防水メモ用紙
語学学習 ICレコーダー、イヤフォン(15分語学学習法は場所を選ばない。カバンには4種類の教材が入っている)
日常生活用 財布、鍵束、時計、電卓時計
視力維持 目薬(最近は、新幹線での資料作成後や就寝前にさす)
ほとんど趣味 タンデム時計、GPS腕時計(タンデム時計は、方角、温度、高度、天気が分かる。GPS腕時計は、毎日どこに行ったかをGoogle Earth上に描ける。楽しい)

 最近は、ポケットに入りきらないものを、ポシェットに入れて、ズボンのバンドに括りつけた。EM-ONEαと、携帯と、ICレコーダー、イヤフォン、そしてデジカメである。右手のGPS腕時計、左手のアナログ・デジタル、そして電卓腕時計。歩く書斎となった。

 そして、最近入手したハンディスキャナの「ドキュペン」。開いた雑誌の必要部分だけをスキャンして、さっとデジタル化できる。これを胸ポケットに入れているが、多少長すぎることと、本体を保護することが今後の課題だ。

 この写真を見たヨメサン、「肝心なものが入っていませんよ」「何?」「ハンカチ、はな紙、小銭入れ!」「……」。小さい時に先生に叱られたの思い出した。

今回の教訓

穴が開いて「左ポケットから浸水!!」なんてことにならぬよう、ポケットにはほどほどに――。


著者紹介 樋口健夫(ひぐち・たけお)

 1946年京都生まれ。大阪外大英語卒、三井物産入社。ナイジェリア(ヨルバ族名誉酋長に就任)、サウジアラビア、ベトナム駐在を経て、ネパール王国・カトマンドゥ事務所長を務め、2004年8月に三井物産を定年退職。在職中にアイデアマラソン発想法を考案。現在ノート数338冊、発想数26万3000個。現在、アイデアマラソン研究所長、大阪工業大学、筑波大学、電気通信大学、三重大学にて非常勤講師を務める。企業人材研修、全国小学校にネット利用のアイデアマラソンを提案中。著書に「金のアイデアを生む方法」(成美堂文庫)、「できる人のノート術」(PHP文庫)、「マラソンシステム」(日経BP社)、「稼ぐ人になるアイデアマラソン仕事術」(日科技連出版社)など。アイデアマラソンは、英語、タイ語、中国語、ヒンディ語、韓国語にて出版。「感動する科学体験100〜世界の不思議を楽しもう〜」(技術評論社)も監修した。「アイデアマラソン・スターター・キットfor airpen」といったグッズにも結実している。アイデアマラソンの公式サイトはこちらアイデアマラソン研究所はこちら


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