第3回 読まれるブログを書くため、心がけたい3つのポイント 企業ブロガーの転ばぬ先の杖(3/5 ページ)

» 2008年12月08日 12時38分 公開
[シックス・アパート 中山順司,ITmedia]

1.「1人で書くべし」 〜共同作成のワナに陥らない〜

 「皆で書けば、1人で書くよりいいものに仕上がるに決まっている。だって、たくさんの知恵が集まっているんだもの」

 一見もっともな“三人寄れば文殊の知恵”ロジックですが、実はこれがくせ者。最初のネタ出しや方向性の議論でなら、複数の視点のおかげでアイデアも生まれやすいですが、デメリットとして作用することもあるので注意が必要です。

 まず作成にかかわる人数が増えるほど、意思決定に時間がかかり、鮮度が失われる点。次に、全員の総意を尊重するがゆえ個性を反映しにくくなり、コンテンツの面白さと書き手の味が奪われます。最後に、責任の所在がうやむやになるのです。

 斬新でユニークな企画案が、関係者に回され調整・修正されるうちに角が取れ、いつの間にか無難な案になりさがってしまう感じに似ています。

 企業が公の場で発言する場合、立場上緊張するのは当然のことです。ブログで情報を発信する場合も、程度の差こそあれ、似た感情を味わうことはあるでしょう。お客さんの目以外にも、同僚の目、上司の目、部下の目とたくさんの視線を浴びるのですから、どうしても「赤信号、みんなで歩けば怖くない」的な心理状態になりがちです。

 さらに「反響があるか自信がない」「反感を招くのが怖い」「一人で書くのがなんとなく不安」といった気持ちから逃れるための共同作業は、不安感は鎮められても、肝心のコンテンツの質は低いままです。よって、誰かに相談することはあっても、記事を複数での執筆、編集はオススメしません(契約書のように完ぺきが求められる文書の場合は、逆に複数チェックが望ましいでしょうが)。

 成果物、完成品へと作り上げるのは、1人の手によって行われるべきです。「この記事は自分の作品なのだから、誰にも手出しさせない」くらいの心構えを持つくらいでちょうどよいです。

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