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» 2009年01月03日 08時30分 公開

先読み『アイデアパーソン入門』:「ほる」――「たぐる」小技その4

最後の「たぐる」小技は「ほる」。もっとディープに、もっと深く踏み込んで、なんちゃって専門家を目指しましょう!

[加藤昌治,ITmedia]

 「たぐる」の小技もこれで最後になります。「ほる」です。

【ほる】

 深く知りたいと思う案件について、図書資料の精読や関係者へのヒアリング、高度な技術の修練などによって専門的、「deep」な知識や知見を収集し体得すること。業務上の必要に迫られて行う場合と、自身の強い希望に基づいて行われる場合がある。その領域に関しては「深い」と称される。


 「押さえる」がいわゆるサーベイ、概況把握だとすると、「ほる」はもっとディープに、深く踏み込んでいきます。好きこそものの……で、本人は意識をしていないうちに気がついたらいっぱしの専門家と呼ばれるようになっていた、なんてこともあるかもしれないですね。

 あなたがアイデアパーソンとして自立していこうとするならば、できるだけ早い時点で1つか2つほど、「ほる」ことを強く勧めます。人材開発・教育の世界では「Tの字人材」を育てよう、とよくいわれています。アイデアパーソンも同じです。T字の横とは幅広くアイデアを出せるカバー領域の広さ、そして縦が「ほる」ことで生まれる専門性。両方が欲しい、とあなたも思いますよね?

 それは十分に可能です。専門家といっても日本一である必要は(とりあえず)なくて、まずはチームや会社の中での専門性を発揮すればそれでいいじゃないですか。一度、橋頭堡(きょうとうほ)が確保できたら、もうしめたもの。後は楽です。

 ジャンルも、まずは自分が興味あるところからでよいと思います。一見仕事と関係なくても大丈夫。アイデアは既存の要素の組み合わせですから、どこかで関係性は出てきます。それにあなたの専門領域が発端になって、チームメンバーの「思い出す」を「たぐる」こともできますよね? アイデア稼業のわたしたちにとって、無駄な知識や体験は一つもないのです。

 目指せ、なんちゃって専門家! あなたのするどいアイデアをみんなが待っています。

編集部から

 今回の先読み『アイデアパーソン入門』、いかがだったでしょうか? 確かにチームや会社の中には「あの製品のことはこの企画に聞け」だったり、「あのクライアントのことはこの営業に聞け」だったり、そんな人がいますよね。分からないことは、しっかり「ほる」。そして成果を出していけば、自ずと頼りにされるものです。

 次回の先読み『アイデアパーソン入門』は、これまでの連載で分かりにくいところや疑問点に対して、著者の加藤さんが発売前に答える「先出しQ&A」です。お楽しみに――。


著者紹介:加藤昌治(かとう・まさはる)

 大手広告会社勤務。1994年、大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(阪急コミュニケーションズ刊、2003年)、『アイデア会議』(大和書房刊、2006年刊)がある。


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