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» 2009年01月02日 08時30分 公開

先読み『アイデアパーソン入門』:「押さえる」――「たぐる」小技その3

プロのアイデアパーソンが出すアイデアには課題を突破するだけの鋭さが必要。「どこを突破するのか?」をキチンと確認しておくために必要な小技が「押さえる」です。

[加藤昌治,ITmedia]

 「たぐる」小技の3つ目は「押さえる」。

【押さえる】

 軽度に興味関心のあるテーマや人物などに関して、簡単な調べをすること。下調べ。詳細な分析が目的ではないため、完全な網羅性は必要としないが「footwork」よく作業することが求められる。「とりあえず」行われる場合も多い。


 プロのアイデアパーソンが出すアイデアには課題を突破するだけの鋭さが必要になりますが、そんなアイデアを考えるときに、「どこを突破するのか?」をキチンと確認しておくことがキーになることもあります。コンサルタントさながらの課題発見力です。

 どこが問題かを知るためには、まず全体像を押さえておくことから始めることも多くなります。最初に全体を俯瞰(ふかん)するところから議論をスタートさせる方法です。その際、一つの情報だけから全体を把握するのはちょっと乱暴。集めた情報のカバーする左右上下のサイズ感は気になるところです。

 そのあたりの知識収集に威力を発揮するのが「押さえる」という技ですね。インターネット、特に検索機能の充実によって本当に「押さえる」のは楽になりました。それまでは図書館に何度も通ったり、新聞の縮刷版(見たことあります?)を怒涛(どとう)の勢いで読破したり……と全体の感覚をつかむのは、結構大変な作業でしたから。

 ただ気をつけるべきは、「押さえる」行為が間接的な体験で終わりがちなことです。「たぐる」技としては、正確な調査というよりはアイデアへのヒント探しが主目的ですから(裏を取るのは企画作業段階ですから、まだ先)それほど神経質にならなくてもよいのですが、調べたといってもまだそれは軽いレベルにしか過ぎません。

 また、インターネット上にある情報をそのままうのみにするのも気をつけたいところ。大事な要点になるところでは、キチンと原典に当たることを忘れずに。

編集部から

 今回の先読み『アイデアパーソン入門』、いかがだったでしょうか? インターネットの検索機能のおかげで、本当に情報収集の取っかかりが簡単になりました。でもそのせいで、大して深く調べもせず分かった気持ちになったりします。実はこれ、結構もったいないことかも知れません。ネットで調べられないにおいや感触、こんなところからもアイデアを「たぐる」ことができるのではないでしょうか。ネットで調べて、気になったら実物を「押さえる」。こんなパターンが作れるといいですね。

 次回の先読み『アイデアパーソン入門』は「『ほる』――『たぐる』小技その4」です。お楽しみに――。


著者紹介:加藤昌治(かとう・まさはる)

 大手広告会社勤務。1994年、大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(阪急コミュニケーションズ刊、2003年)、『アイデア会議』(大和書房刊、2006年刊)がある。


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