厚紙で頑丈。そのうえ単行本などのブックカバーにサイズがピッタリな壁掛けカレンダー。オフィスの余りカレンダーで、本にフィットしたブックカバーがパパッと作れてしまうのだ。
年末年始のあいさつ回りで決まってもらうのが企業ノベルティー。その代表格がカレンダーである。部署に1つあれば十分な、大きな壁掛けカレンダーが余っているオフィスも多いのではないだろうか。
当社もその1つ。現在オフィスの一隅にカレンダーを集めた特設コーナーが出現だ。カレンダーの入った箱に書かれた「ご自由におとりください」の文言に、筆者の心ははやる。
読書好きな筆者にこのコーナーは宝山に見えるからだ。本を汚したくない、複数の本を独自のジャンル分けしたい、表紙デザインを好みに変えたい――などの理由から、本に必ずブックカバーをかけているが、その素材に壁掛けカレンダーが最適なのである。理由は6つ。
1. 文庫本より大きめサイズに合わせやすい:ブックカバーにするのは上部の写真や絵の部分。この部分のサイズが、文庫本より大きいサイズ、特にA5サイズ用のブックカバーとしてちょうどいい。
2.簡単に作れる:左右に切る必要がない、上下を切る時も境界線やミシン目沿いに切ればいいなど、手先が器用ではない人でも簡単に作りやすい。
3. 紙が丈夫:紙が丈夫で厚手の場合が多いから、数年は持つなど耐久性がいい。ソフトカバーの本なら、表紙の強度補強にもなる。
4. 絵や写真がキレイ:使用されている絵や写真が、鑑賞に堪えるクオリティ。
5. 気分や季節ごとにカバーを変えられる:6枚、12枚つづりが多いので、まとめて作り、気分や季節でカバーを変えたり、複数の本にカバーをして独自のシリーズ化が可能。
6. 出費ゼロ:出費ゼロで、紙資源を有効利用できる。
カレンダーにはここまでメリットがある。そのため、大きさや厚みなどがバラバラな単行本サイズなどのブックカバーを自作せざるを得ない身にはカレンダーは宝なのだ。
ブックカバー作りを簡単に紹介しよう。用意するのはカレンダー、カバーをかけたい本、そしてカッター(またはハサミ)の3つ。誤って切り過ぎないよう、作業机に古新聞などを敷くと安心だ。気に入った絵柄を選ぶ際、同時に次の2点もチェックしておこう。
1つ目はサイズが合っているか。壁掛け用カレンダーの絵や写真部分は、A5サイズ程度の本用のブックカバーにちょうどいいが、まれにサイズが合わないものもある。
まずカバーをかけたい本を閉じたままカレンダーの上に置いてみる。カレンダーの絵柄部の中央あたりの縦線に、閉じた本の左端(または右端)を目分量でそろえる。こうすると、本の折りしろがどれくらいあるかが大体分かる。ここを見るのだ。
折りしろができないほど小さいカレンダーではブックカバーに使えない。ほかのカレンダーを選ぼう。ある場合は、使い勝手を大きく変える左右の折りしろに着目。上下の折りしろは数センチしか長さがなくても使い勝手に影響はないが、左右のそれは5センチ程度の余裕が欲しい。折しろが短すぎると、本を大きく開いた時、カバーがスポッと抜けやすいからだ。
紙自体の厚みも念のためチェックする。こちらはカレンダーの紙をつまめば分かる。厚い方が丈夫だが、絵柄は気に入っているけど紙は薄い――なんて場合は悩むかもしれない。耐久性、絵柄の好みのどちらを優先するかで決めるといいだろう。
カバー用の紙が決まったら、カレンダー上部の絵柄部分を下部の文字部分と切り離す。境界線がある場合は、その線に沿って切る。多少ジグザグしても、紙の端は折り込むからあまり気にしなくていい。また、紙を束ねる結束部分があるカレンダーは、絵柄部分を結束部分から外す。大抵ミシン目が付いているから外しやすい。
次に折りしろ部分を決め、紙に折り目を付ける。紙の中央に本の背が来るのが理想だ。背を底にして立てた本を紙にくるみ、紙の左右両端をそろえて吊るすと、本の重みで簡単に本の背と紙の中央の位置が重なる。左右均等になる位置を固定したら、本の端に沿って紙に折り目を付けていく。
最後の工程では、折り目に沿って紙を折り込む。まず上下。次に左右のうち1辺だけ。この時点で、実際に本にカバーしてみる。最後に、本を閉じた状態で残る1辺を折り込めば完成だ。ここでのポイントは、左右どちらかの1辺だけ最後まで折り込まない点。こうしておくと、左右のちょっとした誤差を最終段階で調整でき、ジャストサイズになる。
こんな具合にあっという間にできあがる“カレンダーカバー”。1枚だけでなく、6枚や12枚などつづり分の紙を、「あとは本に合わせて折るだけ」という状態でストックしておくのもオススメだ。気分や季節で交換したりできるから、本を持ち歩くのが2倍、3倍と楽しくなるかもしれない。
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