どの業界が一番休みを取れる?“有給&残業”攻略法(1/2 ページ)

「どんな企業に行ったらたくさん休めるんだろうか」と考えたことはありませんか? もっとも休暇が取りやすい業種、逆に取りにくい業種を紹介します。

» 2009年05月29日 20時00分 公開
[塙恵子,Business Media 誠]

 「1週間休みを取ってニューヨークに行ってきます」――友達からこんなメールをもらって、ちょっと泣きそうになった。記者である筆者の仕事は、大げさに言えば、オンオフなし、年中無休だ。インターネット環境さえあれば、いつでも仕事ができてしまう。みなさんはこう考えたことはないだろうか。「どんな企業に行ったらたくさん休めるんだろうか」と。少なくとも筆者は考えたことがある。

休暇が取りやすい業種――インフラ強し

 厚生労働省の調査に「規模・産業別労働者1人平均年次有給休暇の付与日数、取得日数および取得率」というものがある。資料は2007年度のもので、付与日数には繰り越し日数を含まず、取得率(%)は全取得日数/全付与日数で計算している。

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 規模別で見た場合、やはり社員1000人以上の企業が、付与日数、取得日数ともに一番多い。30人〜99人の企業に比べ、付与日数はおよそ2.5日、取得数も3日多いことになる。企業規模が大きい方が、やはり「労働組合の組織率が高い」「労務管理がしっかりしている」などの点で有給休暇の付与が多くなるのだろうか。

 産業別で見ていくと「電気・ガス・熱供給・水道業」が付与日数、取得日数ともにもっとも多いことが分かる。しかも取得率はほかの産業に比べ圧倒的に高く、19.6日の付与に対し、平均で14.9日。取得率は76.3%にも及ぶ。この記事で紹介したように、労働者1人平均年次有給休暇が半分に満たない状況の中で、この数値はなんともうらやましい。

 厚生労働省にこの理由は何なのか問い合わせてみた。担当者のコメントは、「電気・ガス・熱供給・水道業は比較的大規模事業場が多く、常用雇用者の割合が高いこと、また労働組合の組織率が非常に高いなどが、要因として考えられる」とのことだった。

 飲食店・宿泊業に注目してほしい。付与日数が医療・福祉業に次いで15.9日と少なく、取得日数は4.7日と最低の数値。3割弱の取得にすぎない。こちらの理由としては、「飲食店・宿泊業にパートタイム労働者比率が高いことなどが(パートタイム労働者は常用雇用者に比べて労働条件面で不利になることが多いため)、終業時間、勤務時間が不規則であること、代替人員の不足が原因ではないか」という推測だった。

 筆者も宿泊業で働いている友人がいるが、確かに有給休暇を取得した話をあまり聞いたことがない。不規則な勤務時間、シフト制ながら深夜も働くなんてことも多いという。休日を取って宿泊する客と接することが多いだろうから、これはとてもむなしい気分になりそうだ。

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