あなたの目標にベルはついているか――「緊急ではないが重要な」“第II領域”「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第三の習慣(1/2 ページ)

4つの領域の中でもっとも意識しなければならないのは、「緊急ではないが重要な」第II領域についてです。この領域のことを普段から実行していくには、自分の中に「大きなYES」がなければいけません。

» 2009年09月18日 13時30分 公開
[フランクリン・コヴィー・ジャパン,Business Media 誠]

「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック with DVD Vol.4 第三の習慣:重要事項を優先する

 実りある人生を送っている人々には共通する習慣があった――1996年に発売されて以来、ビジネスパーソンをはじめとする世界中の人々に多くの影響を与えたスティーブン・コヴィーのベストセラー『7つの習慣』

 ビジネスパーソンとしての自分、夫としての自分、テニススクールの一員としての自分、父親としての自分――さまざまな役割を担うあなたは、仕事以外にもするべきことが多いはずです。多くの役目をこなすためには「重要事項を優先する」こと。『「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第三の習慣』から、「ビジョン実現のための計画と自制」を学べる5編を抜粋してお届けします。


重要度/緊急度 緊急 緊急ではない
重要
第I領域
・危機や災害、事故、病気
・締め切り直前のタスク
・クレームへの対応
・直前に迫った会議の資料づくり
第II領域
・人間関係づくり
・体力づくり
・スキルアップ(自分を磨くこと)
・準備や計画
・適度な息抜き
重要ではない
第III領域
・無意味な電話やメールへの対応
・突然の来訪への対応
・多くの会議
・無意味な接待やつきあい
・多くの報告書
第IV領域
・暇つぶし
・長時間、必要以上の息抜き
・だらだらとした電話
・世間話
・その他、無意味な活動

 本当は重要だと感じていながら、いつも後回しになっていること、それが第II領域の「緊急ではないが重要なこと」です。この1週間の行動にこの領域の項目が多かった人は、「準備」「計画」「優先順位」「バランス」に生きているということができます。

 「重要」の定義として「成果に関連しているもの。あなたのミッション、価値観、目標の達成に結びついているもの」と説明しましたが、あなたにとって大切な結果や成果を生み出すために、優先順位を考え、計画的にバランスよく行動することが、第II領域の活動になります。

 『第二の習慣 目的を持って始める』で、ミッション・ステートメントの作成、重要な目標の設定を行いました。これらのことを常に明確に意識できていれば、自然にこの領域の行動が多くなるはずです。

 第II領域の行動が多い人は、重要度に従って優先順位をつけ、準備や計画を怠りませんから、過度なストレスやパニックに陥ることもまずありません。

 例えば、金曜日が資料の提出日である場合、木曜の夜まで放っておくことはまずありません。事前に準備、計画を行い、適切なタイミングで余裕を持って冷静に実行します。余裕を持ってスケジューリングしているので、予想外の出来事が起きたとしても、慌てず対応することができるのです。

 この領域のことを普段から実行していくには、自分の中に「大きなYES」がなければいけません。すなわち「これをやる」という強い意志です。その「大きなYES」があるからこそ、些細なことや過剰なことに対して、勇気を持って「NO」ということができるのです。この領域こそがあなたにとって最も大切なことだといえるでしょう。

 しかし、この第II領域に入ることは、基本的に緊急性がないものが多いので、向こうから「やってくれ」と近づいてくることはありません。すべて自分で決めて、自分でやらなければならないのです。ここにこの領域に力を注ぐ難しさがあります。

 すべてがあなたの意志に委ねられているがゆえに、このような活動を実行に移し、また、続けていくことはなかなか困難です。コヴィー博士の長年のパートナーであるハイラム・W・スミスが著書の中で次のような話を紹介しています。

 以前、ニューヨークのシティバンク社でセミナーをしていたときのことである。私は参加者にこう尋ねた。

 「読書の時間を増やしたいと思っている人はどのくらいいらっしゃいますか」

 全員の手が挙がった。そこで私はこういった。

 「つまり読書は価値があると考えているが、それを実行していないということですね。なぜ実行しないのですか」

 参加者は沈黙した。「時間がない」と答える勇気のある人はいなかった。すると最前列に座っていた男性が手を挙げてこういった。

 「本は電話のようにベルがついていないからです」

 本は自分から「私は素晴らしい本ですよ。ぜひ読んでください」とはいってこないのである。

 つまり、緊急ではない重要な第II領域の活動は、あなた自身が強い意志を持ってやらなければ、成しとげることはないのです。

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