「緊急でも重要でもない」タスクが緊急事態を招く――“第IV領域”「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第三の習慣

「緊急でも重要でもない」第IV領域の活動の特徴は、目的がないことです。人間、誰にもリラックスする時間は必要ですが、過度の気晴らしは次の緊急事態を招いてしまうのです。

» 2009年09月16日 11時00分 公開
[フランクリン・コヴィー・ジャパン,Business Media 誠]

「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック with DVD Vol.4 第三の習慣:重要事項を優先する

 実りある人生を送っている人々には共通する習慣があった――1996年に発売されて以来、ビジネスパーソンをはじめとする世界中の人々に多くの影響を与えたスティーブン・コヴィーのベストセラー『7つの習慣』

 ビジネスパーソンとしての自分、夫としての自分、テニススクールの一員としての自分、父親としての自分――さまざまな役割を担うあなたは、仕事以外にもするべきことが多いはずです。多くの役目をこなすためには「重要事項を優先する」こと。『「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第三の習慣』から、「ビジョン実現のための計画と自制」を学べる5編を抜粋してお届けします。


重要度/緊急度 緊急 緊急ではない
重要
第I領域
・危機や災害、事故、病気
・締め切り直前のタスク
・クレームへの対応
・直前に迫った会議の資料づくり
第II領域
・人間関係づくり
・体力づくり
・スキルアップ(自分を磨くこと)
・準備や計画
・適度な息抜き
重要ではない
第III領域
・無意味な電話やメールへの対応
・突然の来訪への対応
・多くの会議
・無意味な接待やつきあい
・多くの報告書
第IV領域
・暇つぶし
・長時間、必要以上の息抜き
・だらだらとした電話
・世間話
・その他、無意味な活動

 第IV領域は「緊急でも重要でもない」領域です。1日、緊急事項に振り回され、家に帰ったらもうぐったり。特に目的もなくインターネットのサイトを次々に開いたり、見たくもないテレビ番組をぼんやり見続けたり。何もする気になれず、「ああ、今日も疲れたなあ」とぼんやりしてしまう瞬間は、誰にも経験のあるものでしょう。

 「緊急かつ重要」な活動(第I領域)ばかり行っている人は、肉体的にも精神的にも疲弊してしまい、その反動で、こうしただらだらした時間の過ごし方に惹かれがちです。さしあたって意志的な行動を行う意欲が持てないために、無意識にこのような第IV領域の行動に逃げ込んでしまうのです。

 第IV領域の活動の特徴は、目的がないことです。噂話や井戸端会議、惰眠や深酒、Webサイトの閲覧や掲示板、ブログへの書き込み、テレビ鑑賞など、ただ時間がだらだらと無駄に過ぎていきます。

 最悪のケースは、過度の気晴らしが次の緊急事態(第I領域)を招く温床になってしまう場合です。だらだら過ごしているうちに、次の事態への備えも疎かになるからです。

 人間、誰にもリラックスする時間は必要であり、気分転換や気晴らしのすべてが無駄だというわけではありません。しかし、あなたが本来その時間に行えたはずのことを考えてみれば、失った機会や時間がどれほど貴重なものであるか、容易に理解できるのではないでしょうか。

 緊急でも重要でもない第IV領域の行動が、あなたや周囲に良い影響を与えることはほとんどないといってよいでしょう。あなたの行った行動がこの第IV領域に入るかどうかを判断するポイントは、「過剰であるか」「浪費であるか」という点です。

 例えば、同じ「ゲームセンターで遊ぶ」という行為でも、少しの時間だけリラックス、気分転換のために行くのであれば、それは有意義な活動といえるでしょう。

 しかし、必要以上にはまってしまい、何時間もやり続けたり、何日も連続で通ったりするようであれば、まさに時間とエネルギーの浪費であり、完全に第IV領域の活動ということになります。

  • あなたの第IV領域の事柄はなぜ起きていると考えられますか?
  • この領域にばかりフォーカスしていたら、どのような人になってしまうと思いますか?

ポイント

 いずれにせよ、メリハリのない時間つぶしは、あなたの人生において何の効果も生み出しません。この第IV領域は、過剰と浪費の領域であり、ここで多くの時間を費やしてしまうと、やがては仕事に対してすら無気力な態度を取るようになり、罪悪感や朦朧とした時間をだらだら過ごすようになってしまいます。



 次回は「緊急だが重要ではない」第III領域の事柄への対応についてお伝えします。さらに詳しい内容を知りたいという方は、書籍『「7つの習慣」セルフ・スタディ・ブック 第三の習慣』をご覧ください。

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