PCレスで携帯できる――ハンディスキャナ3製品を試す(2/3 ページ)

» 2011年03月24日 09時30分 公開
[山口真弘,Business Media 誠]
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電池駆動で長尺読み取りにも対応した「3R-HSFA620BK」

 オートシートフィーダを搭載したモバイルスキャナ。発売元はスリー・アールシステム。USBバスパワーのほか、単三形電池でも駆動するため、持ち運んでの利用にも便利。読み取ったデータはmicroSDに保存する。ファイルフォーマットはJPGのみ。重量は本体のみで約391グラム、電池を入れると約485グラム。


スキャミルのようにプレビュー表示用の液晶画面がないぶんすっきりした印象。自動読み取りに対応する一方、可搬性にも優れている

正面から見たところ
背面から見たところ
左側面から見たところ。USBバスパワーで動作する

 基本的な使い方としては、まず電源を投入後、本体上部の液晶画面で、カラーかモノクロ、および解像度を選択。解像度は高画質(HIGH、600dpi)と低画質(LOW、300dpi)を用意している。

 各モードを選択し、用紙をセットすると自動的にスキャン開始。A4カラーを読み取る際のスピードは、高画質/低画質モードいずれの場合でも約6秒とされている。詳しくは上記の動画をご覧いただければと思うが、ScanSnap S1100と同程度で、かなり速い。

 画質については、今回テストした3製品の中ではいちばんメリハリがあり、黒い部分がきちんと真っ黒になっている点は秀逸だ。全体的に色味が派手、かつ微妙な濃淡の再現性に弱いのは、このクラスの製品ならではといったところだろうか。

 とはいえ読み取った画像を無補正でそのまま使えるレベルという意味では、前述のスキャミルよりも実用的だろう。ちなみに同梱シートでホワイトバランスも調整できる。

 実際に使ってみて感じたのは、本の自炊における、カバー読み取り専用のスキャナとして重宝するということだ。最長で127センチ(低解像度時)まで読み取ることができるメリットは、本のカバーのようにA4の長さを超える原稿のスキャンにぴったりだ。

 ただ、用紙をセットすると自動的にスタートする機能が災いし、傾いた状態のまま読み取りが開始されることが何度かあった。ゆがみ補正などの機能もないので、こうした長尺物の原稿をセットする時は注意すべきだろう。

 また本体に液晶画面を備えるが、あくまでもスキャン時の情報を表示することを目的とした画面であり、画像のプレビュー表示はできない。そのため、スキャンした画像の内容を確認するには、いったんPCに転送する必要がある。さきの「スキャミル」と比較した場合の最大の違いはそこということになりそうだ。


右側面にはmicroSDスロットを備える。右は給紙ガイド部。A4サイズの読み取りに対応する

データはmicroSDに保存。単三形電池×4本で駆動する

液晶と操作パネル。液晶はあくまでも情報表示のためのもので、読み取った画像のプレビュー表示などには対応しない。起動時の読み取り設定は「カラー」「300dpi」であるが、ほかの設定値に変更しても再起動後に元の値に戻ってしまうのがやや気になる

左は読み取った画像(無補正)。右は拡大したところ。多少地の色は残っているが、そのまま使えるレベル。必要に応じて同梱のシートでホワイトバランスを調整するとよさそうだ。シャープネスはやや強め

製品名 実勢価格 発売元 大きさ 重さ 電源 保存ファイル形式
3R-HSFA620BK 1万5800円 スリー・アールシステム 268×66×41ミリ 約485グラム(電池含む) 単三形乾電池×4本/USBバスパワー JPG

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