画面の明るさを下げる――テレビの節電、ピークシフトするなら昼間は録画節電DIY(1/3 ページ)

テレビの節電でよく言われるのは、画面を綺麗にする、画面を暗くする、コンセントを抜く――あたり。今回はその中でも特に効果がありそうな、画面の明るさと待機電力について検証する。

» 2011年08月16日 12時30分 公開
[奥川浩彦,Business Media 誠]

 前々回は冷蔵庫前回はエアコンの節電に関して紹介した。今回も家庭で電力消費の多いテレビの節電について考えみたい。

画面の明るさと待機電力がポイント

 独身+帰宅が遅い+テレビよりもパソコンという人はそれほどでもないだろうが、筆者のようにテレビ好き+自営業で引きこもり+深夜まで起きているといった要素が重なるとテレビを見ている時間は長い。データを見ると家庭におけるテレビの消費電力は9.9%で、エアコン、冷蔵庫、照明に次ぐ4番目。しかもテレビは年間を通じて使用するので節電できれば電気代の節約にもつながる。

 アナログ放送が終了し、地デジ化のため液晶テレビに買い替えた人も多いだろう。地デジチューナー+ブラウン管テレビという人もいると思うが、国内全体では液晶テレビへの買い替えで省エネ化が進んだのではないだろうか。節電の夏が地デジ切替のタイミングと重なったのは不幸中の幸いと言えそうだ。

 筆者宅は現在2台の液晶テレビを使用している。どちらも昨年購入した東芝のREGZAで「37Z1」と「26RE1」の2機種。37Z1は5年前に購入した「37Z2000」から買い替えている。カタログスペックで消費電力を比較すると以下の通りだ

機種名 消費電力 待機電力
37Z1 169ワット 0.12ワット
26RE1 75ワット 0.3ワット
37Z2000 205ワット 0.6ワット

 37Z2000と37Z1を比べると消費電力で約20%、待機電力は5分の1になっている。スペック上の消費電力は205ワットと169ワットだが、実測値は135ワットと68ワットでおよそ半分になった。買い替え時に消費電力は眼中になくNAS録画がUSB HDD録画になったことと、W録画対応が理由で買い替えたのだが、4年の進歩は消費電力でもかなりの差となっている。

リビングの37Z1。テレビにつないだパソコンで映像を見るとNASやアンプも使用するので消費電力はかなり多め

 テレビの節電でよく言われるのは、画面を綺麗にする、画面の明るさを暗くする、待機電力を避けるためにコンセントを抜く、見ないときは消すといったあたりだろう。

 ブラウン管テレビは画面を拭いた雑巾が真っ黒くなるほど汚れたが、液晶テレビはそれほど汚れることはないだろう。見ないときは消すはテレビに限らず節電の基本。ということで今回は画面の明るさと待機電力について検証してみたい。

画面を暗くするだけで最大年間8000円程度も節約可能

 映像関係の設定はメーカーによって設定項目に違いがある。シャープ製はAVポジションで標準、映画、ダイナミックなどを選択、映像調整で明るさの変更ができる。パナソニックは画質調整でバックライトの調整が可能。エコナビ設定、省エネ設定などもある。ソニーは画質モードでダイナミック、スタンダード、シネマなどを選択とバックライトの調整が可能だ。

 筆者が使用しているREGZAの場合は、映像メニューでおまかせ、あざやか、標準、テレビプロ、映画プロが選択でき、省エネ設定で標準、減1、減2と3つの設定が可能だ。それらと独立してバックライトが0から100まで変更することが可能となっている。これらの設定によって消費電力がどれくらい変化するかを確認してみよう。

 映像メニューをあざやかにするとバックライトは100(MAX)、標準は50、テレビプロは30、映画プロは25となる。おまかせは部屋の明るさや照明の種類によって自動的に可変するので検証の対象から外している。バックライトの数値は絶対的なものではなく、省エネ設定を変更するとバックライトの数値は同じでも画面は暗くなり消費電力は減少する。

 もっとも消費電力が多かったのはあざやか+省エネ設定標準で136ワット、もっとも少なかったのは映画プロ+省エネ設定減2で63ワットと倍以上の差となった。購入時の設定は映像メニューが標準、省エネ設定標準で97ワットと中間くらいの消費電力となっている。

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