「Facebookをビジネスに生かす」「新しい出会いがある」一時期、そう薦める書籍や記事をよく見かけました。実際にFacebookを使うようになった今、島田さんが思うこと、そして「Facebook5大テーマ」とは?
2011年2月に「Facebookの実名主義がどうしても馴染めない訳」のいうブログエントリを書きました(転載された記事はこちら)。その後、少し真面目にFacebookを使ってみました。
あれから1年。Facebookを使うようになった今、思うことを3点ほど書いてみます。
Facebookがいかに素晴らしいかをすすめる記事や本がたくさんあります。そこで見かけるのが「Facebookを活用すると、新しい出会いがある」というもの。
Facebookの仕組み上、私ははじめから「新しい出会いなんて起きないだろう」とは思っていたのですが、一部のメディアでは「起きる」と書いているんですね。Facebookを使いながら、「いつ起きるのかな」と期待していたのですが……新しい出会いなんて、間違いなく起きませんね。
別のFacebookアプリを使えば起きるのだと思いますが、それだと極めて限られた人たち同士の出会いになります。しかもそういうアプリを使うと「出会いたくて仕方がない」オーラを醸し出すので、とても使う気になりません。私も「出会いたくて仕方がない人」とは出会いたくないですし。
twitterでは、私が日々言っていることに反応して、コメントをくれる人がいて、次第に仲良くなってDM(ダイレクトメッセージ)に移り、「じゃあ今度一杯行きましょうか?」なんていうことになり、仕事やプライベートでお付き合いすることも珍しくありませんが、残念ながらFacebookでは、そういう展開はまずありえません。
確かに共通の友人が書いた投稿に対してのコメントのところで、まったく知らない人と会話することはできます。しかしそれはその投稿に関することを一言二言話すだけ。相互の「人となり」を分かり合うようなことにはなりません。
1年以上使ってきて、Facebookが出会いを手伝ってくれたと思えるシチュエーションは、「知人からある人を紹介される」→「その人と実際に会う前にFacebookで友達になる」→「Facebookのメッセージ機能でアポをとる」→「その人と会う」という流れくらいです。
もちろん実際に会う前にその人のタイムラインを確認することはできるので、それはとても有用です。しかしそれは知人がその人を紹介してくれて、すでに友達になった後だからであって、Facebookが出会いを作ってくれたわけではありません。
まあ、これについてはザッカーバーグ氏的にも「それはそうですよ。その一部メディアの方が間違ったんでしょう? ハハハ」と言われるかもしれませんが、Facebookをやっていない多くの人が、いまだに勘違いしていますね。
Facebookを使うことで出会いが増えることもなければ、ビジネスが広がることもない、というのが私の実感です(もちろん例外はあるでしょうが)。
「なんだ、そうすると、これはリアルで知り合った知人同士のコミュニケーションツールではないか」という話で、私にとってはかなりがっかりだったのです。