Facebookが嫌いな理由(後編)そろそろ脳内ビジネスの話をしようか(2/4 ページ)

» 2012年03月30日 19時00分 公開
[島田 徹,Business Media 誠]
誠ブログ

深い内容の話ができない

 次は、ちゃんと使うようになってみて初めて分かったことです。Facebookでは意外にも、深い内容の話を書くことができません。

 Facebookのタイムラインを流れる情報は、基本的には、以下の5種類です。

Facebook5大テーマ

 食事やペット、子供(の写真)。面白画像。そして「誰々と会ってまーす(または会いました)」……この5大テーマについての書き込みだけで、Facebookのタイムラインはほとんど埋め尽くされています。ここで突然、思想信条に関わるような、深い話をするなんて無粋もいいところです。

 本家の米国ではどうか分かりませんが、この原因は、多くの日本人が「和をもって尊しとなす」の精神により、そのグループ内の誰か1人でも不快に思うようなことは書き込まないようにしようとする意識が働くことにあるのではないでしょうか。

 例えば、もし「がれきなんてさっさと全国に運んで、知らないうちに燃やしちゃえばいいのに」なんて書き込んだとしたら……まあ恐ろしいインパクトが想像されます。それはそれで一つの問題提起としては面白く意味があったとしても、みんなその場の空気のようなものを大事にしており、その手のとんがったことは決して言わないようにしている感じです。あるいは、ユーザーの年齢層が高いことも原因しているのかもしれません。年をとってくると「違う意見 = 自分批判」と思いがちですから。

 もちろん中には「和をもって尊しとなす」の精神を持たず(あるいは空気を読まず)、思い切り重〜いネタを書き込む人もいます。しかしこういう書き込みは、明らかに「いいね!」もコメントも付く様子がなく、寒〜い状態で放置されます。これは、「無粋なことを発言した罪」ということで、数日間のさらし首です。

空気を読まずに重〜い発言をする者には、いいね!もコメントも付かずに数日放置される、さらし首の刑が待っている

 ブログやtwitterなら「分かる人だけ分かればいいや」でいいのですが(実際、独り言っぽいものも多いですし)、衆人環視(友人環視)のFacebookではそうはいきません。必然的に、みな上記5大テーマに集約されていくのです。それが、私的にはかなり面白くないのです。

 食事やペットや子供やらの話は、それはそれで癒されますし、ほのぼのした感じでいいのですが、本当はもっと深い話がしたい。逆にある人は、Facebookだと「バカ話ができねえ」と嘆いていました。みんなどこか気取っていて、とても下ネタ系の話や「キャバクラのねーちゃんとどうしたこうした」といった話ができる雰囲気ではないと言うのです。確かにそういう書き込みも、さらし首の刑になりがちです。

 Facebookでの会話はどうしても最大公約数的な話に限定されますから、友達が増えれば増えるほど、書き込めることがなくなっていきます。

 ザッカーバーグ氏的には「そういうのは会って話しましょうよ」なんですかね? それとも、「それはあなたの住むお国柄の問題ですよ」なのでしょうか。

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