Facebookが嫌いな理由(後編)そろそろ脳内ビジネスの話をしようか(3/4 ページ)

» 2012年03月30日 19時00分 公開
[島田 徹,Business Media 誠]
誠ブログ

便利なだけに……と思うところも

Facebookの画面の端には、友人のステータスが表示され、オンラインかどうかが一目で分かる。緑色の丸が付いている人はオンライン

 最近、twitterで知り合った某社長から、Facebookのメッセージ機能でマージャンのお誘いが来ます。19時ころに、「今日の21時から渋谷なんですが」といった感じで誘われるわけです。気持ちは分かります。Facebookでは相手がログインしているかどうかが分かりますから、もしログインしていれば回答が早くもらえる可能性が高いのです。

 誠ブログのオフ会のお知らせも(毎月に1回、ブロガーが集まる懇親会があるのです)、Facebookのグループ経由で来ます。今、会社の枠を超えた新規事業の立ち上げを進めていて、そのグループもFacebookに作ってあります。そのほかにも何人かの知人、グループとの連絡をFacebookのメッセージ機能、グループ機能で行っています。

 「コミュニケーションツールはFacebookだけじゃない」という声もあるかもしれません。確かに、Yahoo! グループなどほかのコミュニケーションツールもあります。しかしそれではダメな理由は、作るのが大変だし、アナウンスも面倒だし、その後の発展性もないからです。

 こういった一世代前のコミュニケーションツールの場合、グループを作るためにメンバー全員に趣旨を説明して、了解をもらって、メールアドレスを登録してグループを作ります。そして、その利用方法を各メンバーのリテラシーに合わせて説明し、ようやく運用開始です。

 私を挟んだ友人同士が知り合っても、お互いの素性は分からないまま。状況が変わってグループの存在意義がなくなれば、そのグループは野ざらし状態……こんな感じだと、「それなら普通のEメールでCC使って連絡する方が圧倒的に楽だわー」と思ってしまうわけです。

 一方、Facebookのグループ機能は優れています。というか、目的に対して一直線です。グループを作ろうという人を挟んだ友達同士は、本人たちが合意しようとしまいと勝手に1グループに入れられます。そしてその瞬間、自由に会話できる場が生成されます。ものの1分です。

 もし、オフで会ったりして、友達になろうと思ったら、ワンクリックで友達申請できます。友達になれば、詳細なプロフィールもタイムラインも見せ合えますので、一気に親密度が増します。おそらく、ここがFacebookの真骨頂なのでしょう。

 私は、はじめからFacebookをやっている人同士で、しかも後からほかの人を入れる予定のない場合しかグループで友達を結びつけたりしませんが、最近、ちまたでは上述のような感じで、Facebookのアカウントがある前提のコミュニケーションを取ることが多くなっているように思います。

こんなツールはないほうがいい

 Facebookは便利なので、私もどうしても使ってしまいます。……が、便利だと思う一方で「こんなツールはないほうがいい」と強く思う自分もいるのです。

 世の中には、実名をネットに公開したくない、あるいは公開できない人がたくさんいます(参照記事)。こういう人がFacebookを使う場合、ルール違反にはなりますが、用途に合わせて偽名の捨てアカウントを作って使い分けることになるのでしょう。

 しかし今後、会社の採用や業務、地域のコミュニティなどでFacebookを使うシーンが増えるかも知れません。そうなれば当然実名でなければならず、偽名を使っていれば、「何か過去がある人」だと思われます。また、場合によっては「捨てアカウントじゃ意味がない、本当のあなたの交友関係を知りたいんだ」と迫られることもあるかもしれません。

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