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» 2012年08月22日 11時00分 公開

説明書を書く悩み解決相談室:問題解決には“ベース構造”を踏まえた説明が必要 (1/2)

どんな問題であれ、なぜ起こったのか、その根底にあるベース構造を認識する必要があります。そして解決策を考えるために、関係者の合意を取るべくベース構造を踏まえて説明することも重要です。

[開米瑞浩,Business Media 誠]

 アイデアクラフト・開米瑞浩の「説明書を書く悩み解決相談室」第41回です!

 まずはこんなシーンを想像してください。あるイベント運営会社のスタッフAと上司Bの会話です。

A 明日から仙台と神戸で会場設営がありますんで、今日は1号車で機材を仙台に、2号車で神戸に輸送する予定でした。

B うん、それで?

A 1号車が故障しまして、使えません。

B まいったなそりゃ……仕方ない、レンタカーを手配してくれ。

 この場面では、「1号車が使えない」問題に対して、「レンタカーを手配してくれ」という対策を考えています。こんな風に「問題が起きた」から「それを解決する方法を考えなければならない」ケースはよくありますね。

 ところで、問題の背景には図1で示したような「ベース構造」という仕組みがあることを認識しておきましょう。

図1

解決したければ、まずは現状把握から

 ベース構造とは、「今起きている問題の本質を考えるためには、まずは現状をしっかり認識する必要がある」といった文脈で使われる現状のこと。図1では「1号車で仙台に、2号車で神戸に」という情報をベース構造としています。

 困ったことに、「現状」という用語そのものは「問題」も含めた意味で使われるのが普通です。「○○案件についての現状を報告します」と言ったら、普通はその中に「問題」も含みますよね。そのため、ベース構造を現状と呼ぶわけにはいきません。

 私がここでベース構造と言っているのは、「東京〜神戸間は約500キロ、東京〜仙台間は約350キロ」といった単なる事実や、「1号車で仙台へ」という「通常予定されている仕事の仕組み」のことで、それらは「問題」ではありません。

 しかしここで大事なのは「問題」の影響は、「ベース構造」をたどって拡大連鎖するということ。「1号車が故障した」ことがなぜ問題なのかと言えば、「1号車2号車がそれぞれ逆方向の遠隔地への輸送の予定が入っていて、予備がない」というベース構造があるからですね。そのベースがあるから1号車が故障した問題の影響が大きくなるわけで、もし2号車が空いているならレンタカーを手配する必要はなかったことでしょう。

 つまり、問題の影響を見極めて適切な対策を打つためには、ベース構造を正しく認識する必要があります。

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