ベース構造を踏まえて「発送電分離の副作用」を考える説明書を書く悩み解決相談室(1/4 ページ)

「問題」に対しては「ベース構造」を踏まえて「解決策」を考え、その「副作用」まで認識した上で解決策を選ぶ必要があります。この考え方で「発送電分離」という問題を解いてみましょう。

» 2012年08月31日 17時50分 公開
[開米瑞浩,Business Media 誠]

 アイデアクラフト・開米瑞浩の「説明書を書く悩み解決相談室」第42回です!

 「説明」が必要な場面の1つは、問題を解決しなければいけない場面です。例えば、風邪を引いて病院に行った場面を考えてみましょう。

医者 まあ、普通の風邪のようですね。お薬出しておきますので、飲んで安静にしてください。

患者 ありがとうございます。

医者 薬を飲むと眠くなりますから、車の運転などはしないようにしてくださいね。

患者 分かりました。

 こういう場面では「問題」は風邪による諸症状(熱、せき、鼻水など)があること、「解決策」は薬を飲んで安静にすることであり、そして眠くなるという「副作用」があります。

 「問題」を解決するためには説明が必要です。特に医者は「眠くなりますよ」という副作用をきちんと伝えなければいけません。とはいえ、分野がなんであれ「説明」するのは難しいものです。そこで「問題を解決しなければいけない」という場面で「何を説明すればいいのか」を整理分析するために役に立つのが、前回もご紹介した「ベース構造・問題・解決策・副作用」というパターンです。

 「問題」が起きているときには「ベース構造」を踏まえて「解決策」を考え、その「副作用」まで認識した上で解決策を選ぶ必要があります。だからその4種類に情報を整理して、相互の関連性を考えるようにすると「適切な解決策を考え」たり「その解決策について関係者の理解を得る」のに役に立つわけですね。

 ここで改めて強調したいのは「ベース構造をきちんと把握しなければいけない」ということです。先ほどの風邪の場合で言えば「体力が落ちて、普通の風邪を引いたんですね」というベースがハッキリしているから「風邪薬+安静」という解決策が出てきます。これがインフルエンザや肺炎や結核だったら全然違う話になるわけで、ベースをきちんと把握しないことには有効な解決策は決して得られません。

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