新入社員が抱く5つの不安――その処方せん、ありますボクの不安が「働く力」に変わるとき(3/4 ページ)

» 2013年04月03日 12時00分 公開
[竹内義晴,Business Media 誠]

自由が効かなくなることへの不安

 社会人になって、中には「あ〜あ、社会人になっちゃった」というような、何か自由がなくなってしまったような、失望感に近い気持ちを抱いている人もいるでしょう。

 学生時代は「選択の自由」「夢を抱く自由」がありました。しかし社会人になると「現実感」や「一度入った会社はそう簡単に辞めてはいけない」という考えを抱くからか、自由が効かなくなることへの“あきらめ”に似た気持ちを抱く人もいます。

 働き方について、私はいろんな選択肢があってもいいんじゃないかなと思っています。

 そこで実際がどうなるかはさておき、「自分に自信がついたとき、もしかしたら転職するかもしれない」「やりたいことがはっきりと見えたとき、ひょっとしたら小さな事業を始めることになるかもしれない」というような、いろんな可能性を持つ“こころのゆとり”を、ご自身に与えてほしいと思っています。

 「選択の自由」「夢を抱く自由」はいくつになってもあります。こころの自由が、可能性を広げてくれます。

お酒の席での不安

 最後に、お酒の席での不安です。

 会社に入ったら、すぐにあるのが新入社員歓迎会です。「本当はあまり飲めないんだけど、つがれたら飲まなきゃいけない?」「ビールってついで回るもの?」……知らないだけにいろんな不安がよぎりますよね。

 以前は「とにかく飲まなきゃ」といった場もありましたが、最近、いろんな宴席に参加して感じるのは「無理して飲まなくてもいい」という空気が広がっているように感じています。

 先輩社員が歓迎会を開くのは「早く打ち解けてほしい」「仲間として迎え入れたい」「コミュニケーションを図りたい」から。もし、お酒が苦手なら「ありがとうございます。あまり強くないんです。実は……」と言ってこれまでの失敗を話すのもいいかもしれません。また、今はノンアルコールビールが強い味方になってくれるから便利ですよね。

 お酒を注いで回ることについてですが、実は、私もついで回るのが苦手です。もちろん自分の席の周りの人にはグラスの様子を見て注ぎます。けれども中には自分の料理には手も付けずに、ずっとお酒を注いで回っている人もいますから、その気遣いには頭が下がります。

 最初ぐらいは「よろしくお願いします」というあいさつの意味も込めて、先輩にお酒を注いで回るといいんじゃないかなあと思います。その機会に話をしようと思っている先輩社員も多いので。

 また以前聞いた話では、最近「とりあえずビール」が通用しなくなってきているそうですね。「ビールは苦くて飲めないし、それを飲み干さないと好きなものが頼めない。いいじゃん、最初から好きなものを頼んだって」という意見なのだそうです。

 それに対して、30代のある管理職の人がこう言っていました。「若い世代と酒を飲むと、1杯目から好きなものを頼む人が結構いるんですけど、小さな宴席ならともかく、大勢いる宴席で1人1人が別のものを頼むと時間がかかって、スムーズに始められないじゃないですか。『好きなものを飲んじゃいけない』とは言いません。“場を読む”ということを知ってほしいだけです」と。

 以前よりも「しきたり感」はなくなってきているとはいえ、「とりあえずビール」という宴席は多いもの。“場を読む”とはいかにも日本人らしい気配りですが、1杯目から好きなものを頼む雰囲気があればそれもいいでしょうし、そうでない場合は、とりあえずビールにしておくと「空気の読めないヤツ」なんて思われずに済むかもしれません。

 最初のうちは、楽しみたくてもなかなかそうもいかないかもしれませんが、場が落ち着いてきたら好きなものを遠慮せずに飲んで、盛り上がってください。

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