数あるスマートフォン連係文具の中から、業界の有名人に「これからスマホ文具を使ってみたい人へのオススメ」を選んでもらった。第1回は文具王こと高畑正幸さん。
専用のスマートフォン/タブレット向けアプリを使って、手書き文字などのアナログデータをデジタルデータにできる“スマート文具”。文具そのものとしても使えるので、スマート文具だと意識せずに普段使いのノートやメモ帳としても十分に活用できるメリットがある。
2011年に登場したキングジムの「SHOTNOTE(ショットノート)」をはじめ、各メーカーが出しているそうした製品は“デジアナ文具”“スマホ文具”などと呼ばれ、ここ数年店頭では専用コーナーが設置されるようになった。
誠 Biz.IDでは、2012年に特集「スマート文具サミット」を実施し、スマート文具がこれから世の中にどう浸透していくのか、使われていくのかを業界の識者を招いて議論した。2013年も同様の特集を実施中だ。
今回は文房具に興味はあるがスマート文具はあまり使ってこなかった、またこれからスマート文具を使ってみたい人に向けてお勧めのものを、次の4人に聞いてみた。
顔写真 | 氏名・肩書・文具とのかかわりなど |
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高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)さん 文具王 「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の文房具通選手権に過去3回参加し、全て優勝した“文具王”。「未来の普通は無理して買え」をポリシーとし、既存の文具のみならず、次世代の文具やガジェットも積極的に使う。 |
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美崎栄一郎(みさき・えいいちろう)さん 著述家 会社員時代から文房具が好きで、文具術や仕事術に関する書籍を複数出版し、勉強会なども主催。2011年にフリーランスとなり執筆や全国で講演活動などを行っている。近著に『仕事はできるのに、机がぐちゃぐちゃで困ってるきみへ』(アスコム刊)がある。 |
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和田哲哉(わだ・てつや)さん 文具専門家 文房具サイト「ステーショナリープログラム」主宰、Webショップ「信頼文具舗」店長。文房具に関する書籍も多数出版している。商品開発・ブランディングなどのコンサルティング、講演、イベントプロデュースなどを行っている。 |
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竹村 譲(たけむら・ゆずる)さん 富山大学非常勤講師 DOS/V生みの親の1人であり、32年間の日本IBM勤務中に約20年ThinkPadのほかIBMのパソコンに携わった。現在は大学の非常勤講師としてブランドデザインやメディアリテラシーを教えている。ツバメノートの別製「Thinking Power Notebook」の発案者。 |
まずは文具王が普段使いしているスマート文具について。スマート文具には、ノート、メモ帳、付せんなどさまざまなタイプの製品が出ているが、文具王がまず挙げたのは何だったのだろう?
打ち合わせの記録や名刺管理に使っているという、オーリッドの「KYBER SmartNote(カイバースマートノート)」だ。先述のショットノートや、コクヨS&Tの「CamiApp(キャミアップ)」などと同じノートタイプのスマート文具だが、KYBERには「人力でメモの手書き文字をテキスト化する」という、他の2つのサービスにはない特徴がある。
つまり、紙に書いたメモを、単なる画像データではなくテキスト化したデータとして残せるというわけだ。アプリで撮影(選択)した文字は、OCRでテキスト化されたデータを最終的には目視で校正してデータ化されるので、多少の時間はかかるものの正確なテキストデータとして納品される。例えば午前中の会議でノートに書いた内容をKYBERに送っておけば、昼休み明けにはその内容がテキストデータ化されている――なんて使い方もできる。
その他のスマート文具について聞くと、ショットノートは、リングノートタイプのホワイトボード「NUboard(ヌーボード)」とコラボレーションしたものなど、ちょっと変わり種のものが使っていて面白いのだという。
キャミアップは、アクションマーカーというマス目を塗りつぶすだけで、タグ付けやフォルダ指定などを自動化でき、アプリの起動からEvernoteなどのWebサービスにアップするまでのステップ数が少ないのがポイント。
とはいえ、今回挙げたようなノートタイプのスマート文具ではない(アプリ連係などがない普通の)ノートに書いて、それをアプリで撮影するといった使い方もする。「(スマホ連携ノートは、進化の過程にあるため)今のところ、どの製品や使い方がベストかは選べない。欲を言えば、各商品ごとに別のアプリを使うのではなく、共通化してくれればうれしい(笑)。アプリ自体の進化については、“判型を選んだりWebサービスへ送ったり”という操作をどれだけ省力化できるかがポイントになると思う」(文具王)
文具王が「最近見たスマホ連動器具の中では一番よかった!」と紹介したのが、カール事務器の名刺整理器「スマデポ」だ。3月上旬から販売を開始したもので、価格は2000円。標準サイズの名刺1000枚を保管できるボックスの上に、スマートフォンで名刺を撮影しやすくする特殊な台が付いている。
先に挙げたスマート文具とは少し異なるタイプの製品だが、スマートフォンで名刺管理をしたいユーザーのニーズをくんだ、これとない文具といえるだろう。「Eight」や「KYBER」などの名刺管理アプリを使っている人など、複数の名刺を撮影する用途がある場合にはお勧めだとしていた。
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