職場のみんながあなたの机を見ている机を基地化せよ(2/3 ページ)

» 2013年04月18日 10時00分 公開
[美崎栄一郎,Business Media 誠]

職場のみんながあなたの机を見ている

 どれだけ自分の机の上(秘密基地)を充実させても、ずっとそこにこもり続けるわけにはいきません。会議や打ち合わせ、来客の応対だけでなく、外出や出張、帰宅したあとなど、デスクを離れている時間は決して少なくありません。

 しかも三崎くんの例のように、上司から声をかけられて急に離席せざるをえなくなることもあります。いつ席を離れてもいいように、あらかじめ備えておく必要があるのです。

 明日オフィスに行ったら、離席している人のデスクを観察してみてください。机が無人であるということは、ただそこに主がいないというだけでなく、さまざまな人が、主のいない状況で机にアクセスしている事実に気が付くはずです。

 電話がかかってきても不在ですから、代わりに用件を聞いてくれた人がメモを貼り付けに来ます。伝票や回覧資料、郵便物を届けてくれる人もやってきます。彼らは実際に机までやってくるのですから、意図的かそうでないかにかかわらず、机の様子を見てしまうことをまずは認識する必要があります。あなただって、今離席している人宛ての電話をとれば、メモを書いて貼り付けるときにのぞき見しようとは思っていないのに、ちらっと何らかに目が行ってしまうことがありますよね。

 他人の中に存在している自分のイメージは、自分では意外に操作しにくいものです。相手が能動的に得た情報のほうが優先されることが多いからです。

 誰かがあなたの机の上で得た情報源は、置かれている資料や本の題名かもしれませんし、あるいは散らかっているか整頓されているかなどの見た目かもしれません。まずは「見られている」意識を持つことが大切なのです。

「表紙つきメモ帳」で面倒な上司対策を

 さて、いつでも離席できるように最低限準備しておきたいのは次の3つです。

  1. ノート
  2. メモ帳
  3. 筆記用具

 ノートの詳しい活用法については、拙著『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)などで述べています。仕事用のメインとなるべきA5サイズのノートで、アイデアやさまざまなメモを時系列に集約しておけば、急に席を離れなければならなくなっても取りあえず手元にこのノートさえあれば対応可能です。

 ノートと別にメモ帳を持っていく理由は、少し複雑です。本当はノートだけですべてを済ませたいところですが、先ほどのアカハナのように差し向かいで打ち合わせをしている場合、ノートしか持っていないと何をメモしているのか、相手に見られてしまいます。

 アカハナは、上司としての自分を押し付けているだけであまり話の中身がありません。要するにまだ部下になって日の浅い三崎くんに対して、権威を誇示したいとか、自分の存在感を示したい、自分へのロイヤリティーを試したいなどという意図が透けて見えます。

 会社には、このような上司はたくさんいます。こういったときには、話を聞かされるほうはメモをとる必要性がありません。しかしどの会社にも一定数存在するこうした面倒くさい上司や先輩を相手にするとき、1つのマナーというか、自己防衛策として「メモをとっているふり」をしなければなりません。

 書いているメモ自体に意味はないのですが「あなたの話を聞いていますよ。重要だと思っていますよ」という意思を表示するだけのために、ペンを走らせている必要があります。従って極論すればメモの内容は何でもいいのです。

 こんなとき、ノートとは別にしっかりとしたタイプのメモ帳を持っているととても便利です。メモ帳を選ぶときのポイントは立派な表紙(カバー)が付いていること。メモをとるには表紙を立てなければなりませんから、自然に目隠しの壁を築けてメモの内容を読みとられないようにできるのです。

 この機能は、もちろん本質的に役立つときもあります。社外の人と話し合いや交渉をするとき、何をメモしているのかは秘密にしたいところです。こんな場合、表紙があればきっちりと隠せます。

 机の上でのノートの位置は、電話のある左側にします。そしてメモ帳は右側。電話を受けたときにメモをとるときはメモ帳を使い、それをもとにあとからノートや手帳に清書するからです。急に声をかけられたら、左からノート、右からメモ帳、そして同じく右側に置いたペン立てからボールペンを抜けば、最低限の準備は完了です。

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