慣れない相手でも会話を弾ませる、3つの質問田中淳子の人間関係に効く“サプリ”(2/3 ページ)

» 2013年05月24日 11時22分 公開
[田中淳子,Business Media 誠]

相手が自分に質問してくれたらチャンス

 以前、MR(製薬企業の営業担当者)の人からこんな例を聞いたことがある。

 ある大きな病院を訪問した際、廊下のイスに座って待っているよう指示された。目の前の部屋にふと目をやると、ドアの上に「○○機械室」と書いてあることに気付き、少々驚いた。日本でまだ数台しか導入されていないと聞いていた大型医療機器の名前だったからだ。

 しばらくすると訪問相手である医師が登場、会議室まで共に歩き始めた時、話題にしてみた。

 「○○機械室とありましたが、導入なさったのですか?」

 「あ、あ、気付いたのか。そうなんだよ、ウチで入れてみたんだ」

 その医師の尽力で導入までこぎつけたものだったそうで、会議室での打ち合わせの後、MRの彼をその「○○機械室」に案内してくれることとなった。ひとしきり解説を受けた後、医師が「興味持ってくれたなら、○○機械のことで一緒にやってほしいことがあるんだけど」と持ちかけられ、結局、その後しばらくして、共同で研究を始めることになったという。

 彼は「待っている間でもよく観察していたら以前との変化にも気付くことがあるから、それをすかさず会話に乗せるって大事ですよね」と言っていた。

 天気や相手の企業の話などある程度「定番」なネタもあるが、さらに会話を弾ませようとした場合、困惑することもある。そんな時ももし相手が自分に質問してくれたらチャンス到来だ。

 質問に手短に答えたら、すぐその質問を相手にし返すのである。

 例えば「GWって何かイベントあったんですか?」などと尋ねられたとしよう。「前半は、家族で旅行し、後半は、ジム通いして、ストレス発散を兼ねた運動してました」などと答えたら、今度はコチラが相手に質問する番である。

 「○○さんこそ、GWはどんな風にお過ごしでしたか?」。こう問い返せば、たいてい、相手は自分のGWについて詳細に話してくれるだろう。

 日常会話で誰かが何かを質問する時、たいていは、質問する側がそのことに興味関心をもっているものだ。相手に尋ねたいと思う一方で、自分のことも話したいケースが多いように思う。だから、自分が答えるだけで終わりにせず、「あなたこそどうなんですか?」と質問を返すほうが互いに気持ちよく会話ができる。

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