頭の片付けを実践すると、人生が変わります。ミリオンセラー作家の近藤麻理恵さんは『人生がときめく片付けの魔法』と言いましたが、頭も片付くと人生はときめくのです。具体的にはどういうことでしょう?
頭がモヤモヤしている人。迷ってなかなか判断できない人。問題をどう解決したらいいのか途方にくれている人。モノの片付けとは異なり、頭の片付け方は一朝一夕にはいきません。見えないし、イメージが湧きづらいのです。
しかし頭がキレイに整理され、無駄なく、目的に応じて働くようになれば、モノの片付け以上に大きな成果を生み出します。さあ、始めませんか? 頭の片付けを!
『人生がときめく片づけの魔法』(100万部)、『たった1分で人生が変わる 片づけの習慣』(30万部)、『トヨタの片づけ』(17万部)など、“片付け”本が続々とベストセラーになっています。そうした背景もあるのか、出版社の編集者も「片付けのテーマは鉄板!」とばかりに私のところへもやってきて、こう言うのです。
「永田さん、片付けの本を書いてくれませんか?」
どうやら図解思考や知的生産術に関する本ばかり書いているから、さぞかし私が整理上手だと思っているのでしょう。しかし、それは大間違い。私はそうしたオファーに対して自分の机の引き出しを開けてこう言うのです。
「これで、片付けの本書いて、説得力ありますか?」
大抵の編集者は「ぐっちゃり」とした私の机の中を見て「ヘヘ」と苦笑いするか、「失礼しました」とそそくさと帰っていきます。ですが、何人かの編集者は粘って「……でっでも、なんとかならないですか?」とくらい付いてきます。
なんとかならないか、って言われても整理整頓は自分の性分じゃあないし、そんな僕が片付けの本を書いても誰も納得しないだろうと思うのです。しかしある時、ふとアイデアが浮かんでこう提案してみたのです。
「頭の片付け」だったら書けますよ。
「……頭の片付け……ですか?」
「そう、モノの整理ではなく、頭の中の整理です。モノの整頓でなく、情報をまとめて、整える技術です。これなら、僕は得意ですよ」
「(けげんな顔をしながら)何だかよく分からないですけど、よろしくお願いいたします!」
モノの片付けは目に見えます。善しあしは誰の目にも明らかです。例えばオフィスの机の引き出しを開いたときに筆記具、印鑑、資料、私物などが整然と並び、あるべき場所に収まっているのと、私の引き出しのようにいろんなものが混沌としてグッチャリしているのは、一見して区別できます。
そして整理されている机の中は、必要な物がいつでもすぐに取り出せるようになっているはずです。効率的です。見た目にスッキリしていて気持ちよいものです。
しかし、頭の片付けはそういきません。第1に頭の片付けといっても、頭の中は誰も見ることができませんから、散らかっているのかどうか客観的にアドバイスはできません。
また頭の中は物理的な空間とは異なり、無限に広がる宇宙のごとく、とらえどころのない世界です。頭の中の総容量も分からなければ、果たしてどのくらいの情報が入れられるかも分からない。実は、これが頭の片付けを難しくしている原因となっています。
しかし、それでも基本的な片付けに関する考え方は、リアルであっても、頭の中であっても変わりません。そしてコツさえつかめば誰でも、それを習慣にできるのです。
頭の片付けがうまくいき、必要なときに必要な情報にアクセスできる生産性の高いアタマにできたら、どうでしょう?
何を優先してやるべきか常にハッキリしていて迷いがなく、いつも気持ちがスッキリしていられるとしたら、どうでしょう?
きっと仕事もプライベートもやる気が沸いてきて、毎日はもっと楽しいものとなるでしょう。
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