自分にベストな集中時間を知るトップ1%だけが実践している集中力メソッド(2/3 ページ)

» 2013年10月29日 09時00分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

リズム=あなたは15分派? それとも25分派?

 仕事でも、その内容に応じて必要とされる集中度合いと集中時間は変わるでしょう。例えば同時通訳。話し手のプレゼン内容を聞きながら、リアルタイムに聞き手の言語に翻訳して話さなければなりません。極度に集中が必要な業務の1つです。同時通訳は通常、15分おきに交代します。

 私たちも同時通訳者ほどではないにせよ、一定の集中度をキープして、会議、プレゼンテーション、就職の面談、ドキュメントの作成などの業務をこなしていかなければならない。しかし、これらは多くは1時間単位です。そして、集中できる時間の単位とは必ずしもシンクロしません。

 極度の集中を要する時間は15分が限度。私も時間の単位を15分で区切って作業しています。しかし、イタリアの時間管理術「ポモドーロテクニック」では、時間の単位を25分としています。正解はありません。あなた自身のフィットする集中時間を見つけ出すのです。キッチンタイマーでいろんな時間を設定してみて、没頭し、キリの良いタイミングを見つけましょう。そして見つけたら1時間、そして1日の労働時間の中で何サイクルできるかを検討するのです。

 私の場合、1時間の業務(会議であれ、文書作成であれ)であっても15分を意識しながら、間に極軽めの休憩(ちょっとしたストレッチ体操や外の風景を眺める)入れて4回やることにしています。また、1時間ごとには軽めの休憩(コーヒーを飲む、人とたわいのない会話を交わす)を入れて、集中力が1日を通して途切れないように工夫しています。

リワード=自分へのご褒美は何を買おうか?

 この連載の2回目「Googleの成功はモンテッソーリ教育なしには語れない」でアメやムチは生産性を低下させる、というような話をしたのを覚えていますか?

 エドワード・デシのパズルを用いた実験では、2つのグループのうち報酬を設定したグループのほうが、報酬を設定しないグループよりもモチベーションが低く、問題解決に消極的でした。また報酬を約束されたグループは、積極性が低いだけでなく、その成果についても、報酬を与えないグループより低かったのです。そのため、デシは、報酬や罰則を与えることは学校の成績、作業の品質や生産量、問題解決能力に対して逆効果である、と結論付けました。

 よく、自分へのご褒美と称して商品を買う人がいますが、よほど大きなプロジェクトなどをやり終えたときのご褒美ならいざしらず、日常的なインセンティブとしてお金やモノをともなうものは現実的ではありません。

 しかし報酬が金銭や経済価値のあるものではなく、頑張ったことを褒めるなど精神的な報酬であれば別です。

 1つのものに集中したいときに、集中して得られた成果(例えば本を読見終える、報告書を完成させる、客にアポイントがとれる、など何でもOK)に対して、自分で精神的な報酬を設定するのです。金銭やモノではなく、気持ちを豊かにするもの、心をさらにふるいタタせるものが理想です。

 コーヒーなどのリラックスタイム、夢を具体的にイメージできるような写真を見ること、達成した証にシールなどを貼っていくなど、ささいなものでも自分の有能感(できる、という自身)や達成感に刺激となるものであればいいのです。

 デシも、自分自身が前進している、良い方向に向いていると感じることのできる目標設定であれば、報酬も成果を高める方向に働くのだといいます。がんばったら、「よくやった。また成長した」と自分をほめることが大事ですね。

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