誰でも才能があるのではない――成長した人が目立っているだけ稼ぐ人の仕事術

最近では、仕事でスマホを使う人は少なくありません。本屋にはスマホを使った仕事術の本がズラリと並んでいます。ここで聞きたいのは、それでどれだけの成果が出て、時間の短縮ができているかということです。成果に直結しているのか、かなり疑問です。

» 2013年11月13日 11時00分 公開
[北岡秀紀,Business Media 誠]

『稼ぐ人の仕事術』について

「お客を大切にしろ」「人脈を広げろ」「時代のいく先を読め」「メールは即レスしろ」こんなことをしていても成果は出ない! トップ4%が実践する最短で成果を生む方法を教えます。

 この記事は2013年8月30日に発売されたアスコムの『96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術』(北岡秀紀著)から抜粋、再編集したものです。


事実、「デキない人」は存在しますよね?

 「全ての人に才能がある。その才能を引き出すことが、上司や社長の仕事である」

 いやあ〜、素晴らしい。もし本気でそう思って、それができているなら本当にスバラシイ。拍手を送りたい!

 でも、本当にそれは正しいのでしょうか? あなたは「こいつは救いようがないな……」というヤツと出会ったことはありませんか。1人や2人、確実にいたはずです。

 人によってIQは違います。運動神経だって、優れている人と鈍い人がいます。ということは、仕事ができる人とできない人も、両方いるに決まっています。

(写真と本文は関係ありません)

 「できなかった部下を育て、トップ営業マンに育て上げました!」みたいな美談を聞いたことがあります。でもそれは、本当にその上司のおかげなのでしょうか? 部下にたまたま才能があってそれを見い出すことができたから、結果としてうまく伸びたに過ぎないでしょう。もちろん、部下の才能を開花させた上司の実績は、評価に値しますが。

 しかし、です。それを全ての部下にできたのかが疑問です。全員とは言わなくても、5割以上の部下を伸ばしたという上司ですら、私は今まで1人も出会ったことがありません。

 世の中には確かに、能力を伸ばした人もたくさんいます。でもその陰には、消えていった人、やめていった人もたくさんいます。それを無視して、できるようになった人だけを見て、「誰でも才能がある」というのは乱暴でしょう。

 実際、かなり多くの人を育てたにもかかわらず、育ってない人ばかりに意識が向き、「私はマネージャー失格」と、自己嫌悪に陥っている人も非常に多くいると思います。これが、美談の陰に隠れてしまった、悲しい現実なのです。

無能の集まりでも運営できる仕組みを作ろう

 百歩譲って、全員に何かの能力があったとしましょう。でも、全員の能力を活かせるポストや仕事を用意することは無理です。大きさが限られる中小企業なら、なおさらです。

 だから、全ての人に等しく能力があると考えたところで、適材適所は無理なのです。つまりこの考え方は、業績をあげることにおいて現実的ではないのです。

 それよりも重要なのは、能力がなくても回る仕組み、動く仕組み、売れる仕組みというのを構築すること。結果的に能力がある人がいて、業績が予想以上に伸びてきたら、それはそれでラッキーだと思ったほうがいいということです。

 例えば、某ファストフード店。高校生でもお年寄りでも、誰が店員になってもそれなりの店舗運営ができています。運営の仕組みが、全ての人のそれぞれの能力を活かそうとして作ったものではないことは、一目瞭然です。

 あなたのビジネスでも、そのような仕組みを構築するべきです。もしそんな売れる仕組みが知りたければ、拙著『小さくても仕組みでガンガン売れる会社のつくり方』(かんき出版)が参考になるはずです。

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