「これからは英語の時代だ」なんて、よく聞きます。ただ、ありとあらゆる教材を手にしても、勉強する「目標」がなければ、残念ながら挫折する確率は高いです。コミュニケーションにおいては、英語が話せるかどうかということよりも、相手に論理的に伝えられるか、スピーディに判断できるかどうかのほうが重要なのです。
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この記事は2013年8月30日に発売されたアスコムの『96%の人がやっていない 稼ぐ人の常識破りの仕事術』(北岡秀紀著)から抜粋、再編集したものです。
「こうすれば英語は話せる!」的な本が、書店に行くと大量に並んでいます。新聞や雑誌では、聞き流すだけみたいな英語教材の広告がいたるところで展開されています。
で、だいたい主張は決まっています。「英語がうまくいかなかったのは、あなたのせいじゃないんです。学んだ学習法が悪いんです!」という具合です。
それにホイホイのって、あらゆる書籍や音声教材にどんどん手を伸ばす“英語学習ジプシー”が、毎日大量に生み出されているのです。
そもそも、なぜ英語を勉強するのか、考えたことがあるでしょうか?
いつか役に立つから? キャリアアップにつながるから?
2年以内に海外に赴任するというような明確な目標がない限り、勉強しないほうがいいでしょう。なぜなら、ハッキリとした目的意識がない限り、すぐに挫折してしまうのは目に見えているからです。実際、今まで何度挫折してきたでしょうか?
そして、実際に英語が仕事で必要なのは、日本人全体の5%くらいです。「いつか必要かもしれない」という考えで英語を勉強しても続くわけもないですし、時間の無駄です。
そもそも海外で仕事をしている人間は英語がペラペラなのかといえば、そうでもないのです。現地法人を作って、現地の人を雇ってという場合なら必要になりますが、そういう環境に飛び込めば数カ月もすればイヤでも話せるようになります。
つまり「強制的に学ぶときになったら、学べばいい」と割り切るほうがいいということです。はじめの5ページしか解いていないテキストや、それに費すお金や時間を無駄にしないで済みますから。
ビジネスにおいて英語力が本当に必要になるときといえば、外国人と交渉するシーンです。その場合、日常会話程度なら話せるという人も、通訳をつけて会話をしています。交渉では、ちょっとのミスも許されないからです。
結局、英語が話せるかどうかではなく、その場で伝えるべきことを論理的に伝えられるか、その場でスピードをもって決断できるかどうかのほうが大事。それさえできれば、英語なんてできなくてもいいのです。
それでも、何とか英語を話せるようになりたいのなら、私の英語の先生である本城武則先生が教えてくれた、たった1つのポイントをあなたに伝授しましょう。それは、「デカい声で話すこと」です。
英語に自信がないと、モゴモゴと言葉を発してしまいます。英語という言語は、小さな声では聞き取りづらい言語なので、外国人からもう1度聞き返されることになります。それで「あぁ、やっぱり私の英語は通じないんだな……」となってしまいます。これは、英語が通じる以前の問題であり、そもそも相手が聞き取れていないだけなのです。
この話を聞いてデカい声で話すようにしてから、私は英語がかなり通じるようになりました。
複雑な話をするわけではないので、文法も気にせず中学生で学ぶ程度の単語を並べ替える。それくらいでほとんど大丈夫ということが、体感して分かりました。
おかげで海外に行っても「何とかなるだろう」という感じを持っています。英語コンプレックスから抜け出せないなら、デカい声で話す。これさえやれば、中学で習った英語で何とかなります。
もし緊急で英語が必要でなければ、それで十分です。
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