JALの機内でインターネットがつながるWi-Fiサービス「JAL SKY Wi-Fi」。いよいよ2014年7月から国内線でもサービスを始まる。JALの担当者に、その狙いを聞いた。
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飛行機内でもネットにつながる――2012年7月からJALの国際線で提供される機内Wi-Fiサービス「JAL SKY Wi-Fi」。2014年7月には国内線でも始まる予定で、特にビジネスパーソンにとっては、機内での過ごし方が変わるかもしれない。JAL SKY Wi-Fiのコンセプトと今後について、企画を担当した日本航空 顧客マーケティング本部の江幡考彦氏に話を聞いた。
これまでは飛行機の中で、電波を発する携帯機器を使うのは御法度だった。携帯電話やPHSなどは、飛行機のドアが閉まったあとは電源を切ることが航空法で定められている。離陸後、シートベルト着用のサインが消えると、携帯電話は電波を発しない状態の「機内モード」でのみ利用できる。
機内で仕事をするために、PCやタブレットを使う人は多いだろう。だが、GmailやDropboxをはじめとするクラウドサービスは「インターネットに接続されていることが前提」であるため、仕事もままならない。これが変わろうとしている。
JAL SKY Wi-Fiは、機内モードに設定したスマホを、Wi-Fiをつかって機内のネットワークに接続し、さらに赤道上の衛星とリンクすることでインターネットにつながるというサービスだ。2012年7月より、JAL SKY Wi-Fiに対応した13機のボーイング777-300が7路線14便(国際線)を飛んでいる。
いったいどのようにして、手元のスマホからインターネットに接続できるのだろうか。まずは経路を説明しよう。
国際線の場合、機内にはファーストクラスに1カ所、ビジネスクラスに2カ所、プレミアムエコノミー、エコノミーにそれぞれ1カ所、計5機の機内Wi-Fi用アンテナを天井裏に設置している。
機内のLANに接続した利用者のスマホは、赤道上の衛星と通信を行う。今回、体験取材で使ったロンドン線など、欧州向けのフライトでは常時1つの衛星とリンクしていて、航路中2〜3の衛星を切り替えている。最終的には、衛星を経由して地上局で通信データを受信し、インターネットへと接続される。今回使ったIPアドレスを確認したところ、ドイツのISPからつながっていた。
上空1万メートル超からのインターネット接続となるため、通信速度はフライト状況や地上局近辺の天候にも左右される。大容量通信が必要な動画閲覧などは必ずしもスムーズとは言い難かったが、メールやSNSへの投稿をするレベルであれば十分なスピードが得られていると感じた。
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