何度言っても同じミスをする部下がいる――ちょっと意外な解決法サイボウズ式(2/2 ページ)

» 2014年08月12日 10時30分 公開
[サイボウズ式]
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他人を変えるより、自分が変わったほうが早い

 この原因と対策を検討するときに意識してほしいのが、「他人を責めても仕方がない」ということ。

 「自責」と「他責」をざっくり説明すると、物事が思うように運ばないときの原因を自分に求めるのが「自責」、他人に求めるのを「他責」といいます。行き過ぎた「自責」は単なる思考停止であり非生産的ですが、過度な「他責」もまた、前進を阻みます。

 なぜ「他責」は前進を阻むのか――。前述のとおり「他人は変えられない」からです。厳密にいえば“めっちゃ”頑張って“めっちゃ”時間をかければ、他人も少しは変わるかもしれませんが、相手に変化を期待するのはあまり現実的ではないですし、自分に負荷もかかります。

 ならば、まず自分ができる範囲で変えられる部分を変え、それが機能するかどうかを試してみるほうが、よほど生産的です。

関わる人すべてが目的のために一歩ずつ歩み寄ろう

 筆者の経験上、同じ目的を掲げて進もうとしているチームは、自責タイプの人が多く集まったほうが物事がうまく運ぶという実感があります。

 なぜかというと、自責タイプの人は、物事がうまく運ばなかったときの原因をまず自分に求め、改善できるところを探すからです。自分自身の状況は他人のことよりもよく分かるので、変えられるところを見つけやすく実行にも移しやすいのです。一方、他責タイプの人たちは、責任の所在を押し付け合い、「犯人」が見つかれば一件落着。たいした改善策も考えないまま、同じことを繰り返してしまいがちです。

 大切なのは、「犯人探し」ではなく、「目標を達成するために、今、自分にできることは何か」を常に意識し、それをスタッフにも意識させること。そして、「それぞれ得意なこと、不得意なことが異なるメンバーが集まったチームで目標を達成するために、各人ができることを持ち寄って協力し合う」ことです。

 たとえ自分は「120%完璧にやっている!」と思っていても、「まだ改善できることはないか?」と考え続ける――。それは「今の自分のやり方」を見直し、「改善するためのアイデア」を考え、「実行可能なタスク」に細分化する、という地道な作業ですが、原因を他人のせいにして思考停止してしまうよりはるかに前向きです。

 常に前進するチームを作るコツは、普段から「今、自分には何ができるか? どんな手助けができるか?」を考える習慣を身に付けていくことなのです。(はせおやさい)

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